三つ目の会 | 慶應義塾大学公認学生団体落語研究会公式ブログ ―慶應落研日記―

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こんにちは。ギリギリ進級、十五代目慶馬🏇でございます。

3/13に中野富士見町のスタジオシェイクスピアにて三つ目の会が開かれました。

当日はたくさんのお客様の来場を賜り、盛況のうちに会は無事終了いたしました。

ご来場くださった皆様、並びに応援してくださった皆様に心よりお礼申し上げます。

 

さて、今回はその三つ目の会の様子をダイジェスト形式でご紹介。

13時に日吉代表のとん治の挨拶と共に開演。

本来は漫才の予定でしたが、まぁ作品はこだわるほど締め切りに間に合わないものです)

彼の堂々とした開会宣言に場内が沸いたところで開口一番を務めたのはつばき

今までの全身黄色とは打って変わって全身青色のいでたちで現れた彼女でしたが、力強さと繊細さを兼ね備えた芸の持ち味は変わらず。紙屑の仕分けをしながら、反古の中の文句を歌いまくる『紙屑屋』は落研随一の歌唱力を誇る彼女にぴったり。正確無比な音程と表現力で場内を魅了しつつ、丁寧に練り上げられたくすぐりで会場を温めました。

続いて登場したのは恋生

同期いち落語に詳しい彼は、その豊富な知識に裏付けられた確かな笑いのセンスと技巧で会場ごと落語の世界にいざないます。選んだネタは『十徳』。「十徳」の語源をめぐる古典に忠実で安定感のある彼の落語は、先のつばきとは正反対の静謐をたたえ、落語のもつ古典芸能の美しさと不朽の面白さを見事に表現しました。

三番目に高座に上がったのは桃介

毎度日常を斬新な視点で切り取る枕を語る彼女。食い逃げを題材とした枕は人情物の落語を思わせる物語性で観客をぐっと引き込みました。そんな彼女のネタ『お菊の皿』は皿屋敷の亡霊お菊がアイドルと化す、怪談をパロディにした古典落語。怪異としてのお菊とアイドルとしてのお菊を演じ分ける難しいネタですが、落ち着いた語り口で見事に演じ切りました。

お次は二度目の登場、とん治

顔の彫りも笑いへの愛も深い彼の落語は今回も豪放磊落、パワフルで豪快。鋭敏な笑いのセンスが随所に光る彼のネタは『一目上がり』。讃、詩、悟……と数がひとつ上がるごとに会場のボルテージもみるみる上昇。落語の緩急を自在にコントロールし会場を大いに盛り上げ、日吉代表としての貫禄を見せつけました。

前半最後を飾ったのはくも輔

時間の都合上急遽20分の時間稼ぎを命じられた彼でしたが、前半組のメンバーに触れながらそつなく即興で枕を編み上げて爆笑の渦を巻き起こしたのはさすがのひと言。飄々としていながら如才なく物事をこなす彼が選んだのは『午後の保健室』。老人風に語る中学生と若者然とした口調の校長を見事に演じ分け、会場の空気は最高潮のまま中入りを迎えました。

 

 

中入りがあけいよいよ後半戦。

まず登場したのは風子

枕づくりは苦手だと公言する彼女でしたが、丁寧に磨き上げられた枕で中入りあけの観客の心を確と掴みました。続くネタ『悋気の独楽』では冷徹な女将、素直な小僧、浮気な旦那、と個性あふれるキャラクターを見事に表現。殊にぶりっこな妾の演技はもはや芸術。会場中の笑いをかっさらい、後半組への追い風を吹かせました。

続いて恋歌の出番。

落研唯一の落語経験者とあってその実力は折り紙付き。国家公務員のバイトという異色の経歴をもつ彼女は落研の良心ともいうべき誠実さをもち、枕でもその人柄を思わせるほっこりとした笑いをもたらしました。彼女の選んだ『天狗裁き』にはたくさんのキャラクターが登場するなか、一人ひとりを細かく表現し、圧倒的な技術力と安定感をみせました。

続く三番目は夜遊

物静かな見かけによらぬ破天荒な彼はなんと枕でおもむろに深呼吸。ポーカーフェイスに隠された豪胆さで会場を沸かせました。選んだネタはバカリズムの『悪魔の契約』。今回のメンバーで唯一、落語ではないものを落語に陥れたオリジナルで勝負をしましたが、シュールな世界観を器用に再現し、会場中は笑い声に包まれました。

トリとして登場したのは私、慶馬でした。

暖かな会場の皆様と今までその会場を盛り上げてくれた部員の皆のおかげでどうにか笑いをもぎ取ることができました。私の選んだネタ『親子酒』は酒を断てない親子の話。今回は新入部員が三つ目に覚えた噺を披露する会、ということでこのネタの中に今まで部員全員が覚えてきたネタをできる限りすべて盛り込んでみました。自分の考えたくすぐりで多くの方が笑って下さる、この幸福はきっと落研以外では感じられますまい。

なお、おさんに関しましては流行り病につき欠席でした。個性あふれる落研部員のなかでも特に尖った笑いを提供する彼の落語はまた、別の機会に。

 

以上、三つ目の会の模様をざっくりとご紹介いたしました。

場所もネタも日時もすべて新入生のみで決めた今回の三つ目の会がこのような大成功を収めることができたのはひとえに当落研を応援してくださっている皆様のおかげです。

末筆ながら当日ご来場くださった皆様、先輩方、このブログを読んでくださっている皆様、慶應義塾大学落語研究会を応援してくださっている皆様に心より御礼申し上げます。

 

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