【両軍スタメン】~不可侵地帯を抜けて必勝へ~

神戸はイニエスタとポドが欠場に。

また、それに合わせて4-4-2にフォーメーションを変更。

加入後リーグ戦全試合出場していたサンペールが今節は出場しなかった。

これは、裏を返せば今までの3トップシステムの放棄と同時にバルサ化もかなぐり捨てたといえる。

 

実際、起用メンバーも去年W杯中断前に記録した連勝時のメンバーに近い。

バルサ化というプロジェクトを凍結してまで、神戸は現実的な立場から勝ちを目指した試合といえるだろう。

それでは中身を見ていく。

 

【前半15分】

・札幌攻撃 ~ミシャ式の妙手~

立ち上がりにアクションを起こしたのは札幌。

そのため、まず札幌から見ていく。

神戸は4-4-2で守備をセットする。

2トップが相手CBにプレスをかけ、それ以外の選手は中央にコンパクトなブロックを引いて守る。

 

戦術を読まれたか、札幌は明確な動きで崩しに入ってきた。

2トップに対し3バック+2ボランチでビルドアップする札幌は落ち着いて2トップのプレスを剥がす。

剥がした後に、4-4-2の泣き所であるSH脇に侵入した(図の赤いエリア)CBにサイドチェンジを通したり、直接持ち上がる。

そのCBは、キック精度を生かしてクロスを入れたり、WBに縦パスを入れたりしていて攻撃の組み立てを担当する。

クロスには、荒野、鈴木が合わせる。また、縦パスを受けたWBはスピードに乗った突破でSBを剥がしてから、クロスを上げていた。

 

また、神戸視点から見るとこの時間帯は攻撃の供給源となっているCBを潰せないため、ブロックを突き動かされてフィニッシュまで持ち込まれてしまっていた。

さらに言うならば、最前線で5対4の数的不利を作られてしまっていたことは大きなミス。

SB対WBの構図が作られてしまい、ダンクレーも2対1を強いられてしまい、さらにクロスにフリーで合わせられるてしまう結果につながっていた。

 

この問題の根本的な要因はSHの役割が中途半端なことに集約される。

SHがフリーのCBにプレスをかけに飛び出すか、WBについてDFラインに落ちる必要があったように感じる。

神戸のこの時間はSHも含め4-4ブロックの前4枚の役割が曖昧だった。

正直なことを言うと、4-4ブロックの形を維持することにフォーカスしすぎて4-4-2のメリットを生かせてなかったように感じる。

 

ただ、これ以上ここで言及する必要もないため、今度は神戸の攻撃を見ていく。

 

・神戸攻撃 ~シャドーは開くよ、どこまでも~

札幌は守備は3-4-2-1で守備をセット。中盤ではマンマークを採用した。

2シャドーは、ボランチへのコースを切ってCBのパスの選択肢を制限。

詰まったCBが比較的足元の技術が低いSBに送るパスにシャドーが飛び出して奪いに行く。

ただ、ボランチがレイヤーを降りてパスを受ける動きは放置しているため、神戸はそこが突破口に。

菅に対して質的優位を提供できる古橋、プレスに動じない西、パスを受けに落ちる山口が即興的に連携して崩していった。

 

また、ところどころで披露していたダンクレーのロケットフィードはこの時間にも通用していた。

 

ただ、左サイドからの攻撃が一切機能せず、田中の存在感が空気になったため前線で数的・質的不利をこうむり、絶好機を作れなかったのは痛い。

札幌の計画的な崩しや、守備との差が浮き彫りになる立ち上がりとなった。

 

【前半30分】

・札幌攻撃 ~引き出し豊富な札幌~

劣勢の中、吉田監督が動く。

まず、好き放題やっていたCBにSHがマークに飛び出すように。

また、2トップが適度にステイするようになり押し込まれることが少なくなった。

さらに、SBが対面のWBを見るために張り出したり、WBへのパスに対して積極的にインターセプトを狙うように。

パスの供給源が下がった分、SBは落ち着いてWBの相手を見れるようになった。

 

ただ、これに対してさらに札幌が動きを見せた。

CBの立ち位置を下げられ、2トップが来なくなったことから時間の余裕が生まれた札幌。

最終ライン+ボランチでひし形を作り、進藤、福森からのロングボールを武蔵にダイレクトに供給することを狙うようになった。

ダンクレーがチャナと武蔵を見る構図は変わらないため、ダンクレーの集中力が落ちたタイミングを突いて送られるロングフィードで何度も危ない形を作られた。

 

とはいえ、この采配の最大のメリットはカウンターの形を作れるようになったこと。

カウンター時に、SHにマークにつくWBとSHの立ち位置が逆転しているため、SHに預ければマークがいない状態でスムーズに陣地回復が見込める。

実際に、古橋はそのメリットを理解し、パスを要求していた。

 

逆にこの采配のデメリットは2つ。

3トップ対2CBという根本的な数的不利の解消ができていないこと。

SBにかかる戦術的、体力的な負担が大きいこと。

 

特に後者はじわじわと神戸の首を絞めていくことになる。

それでは、不吉なフラグも立てたところで神戸攻撃の改善を見ていこう。

 

・神戸攻撃 ~前進するぜ、どこまでも~

山口がボランチ落としを決行。山口が落ちて空いたスペースに三田が走りこむ。

そのマンマークから解放された三田がフリーで受けて局面を前進させる。

またこれにより、古橋がペナルティエリアに侵入する余裕が生まれた。

ただ、この時間もチャンスは生まれず。

 

また、左サイドで奪う機会のほうが多かったものの、カウンターにはつなげられた機会は少ない。

これは橋本が守備専の役割を拝命していたためで、郷家にサポートできないため、前線に運べずチャンスにつなげなかった。

橋本が守備に特化するのは、戦術的にはしょうがないので必要な割り切りだったと思う。

 

【前半45分】

・札幌攻撃

30分から大きく変わったように感じない。

そもそも、有効な攻撃の数が少なかった印象。

ただ、チャナティップがレイヤーを降りてチャンスメイクに絡むようになったことはその少ないチャンスの質の向上に寄与していたように感じた。

 

・神戸攻撃

三田のスタート位置も下がった。

だが、これに対して札幌は完全マンマークを実行。

パスが入った瞬間に決められた選手がボールを狩りに行く。

特に攻撃方向が右に偏った弊害として相手シャドーの荒野とトップの鈴木が2トップのような形を形成。

神戸CBはプレッシャーがかかるようになり特に宮がバタついてしまうことがあった。

橋本にボールが入って荒野のスライドが間に合わないときはフェルナンデスが飛び出していた。

また、この修正を受けて神戸は2ボランチが飛び出すことで空く図の黒いスペースを利用とする動きを見せた。

例)早い段階でのクロスや、ビジャの降りる動きにフィードで合わせる、郷家の落とし等

 

これで神戸はようやく崩しの手段を獲得し、有効なフィニッシュを作れていた。

むしろ、攻撃に比重を置き、実際に押し込めていたこの時間に1点とれていればだいぶ変わったかもしれない。

 

後半はパート2に回します(最近こんなのばっかで申し訳ない...)