チームダイアリーをご覧の皆様、こんにちは。4年及川寿暉よりご紹介(?)に預かりました、慶應義塾大学スケート部ホッケー部門4年振津青瑚です。
ついに及川の紹介文を書く時が来てしまいましたが、正直一番書きやすく一番書きづらいです。というのも、思い出やエピソードが無数にあるせいでどれを書けばいいか分からないからです。意味もなく及川の家に入り浸っていた日々、深夜の練習後に朝までカラオケで歌った日、不純な動機で渋谷を二人で徘徊した日など正直キリがありません。しかし、数多くの思い出の中でも、一際印象に残っていて今も大事にしているものがあります。大学一年生の時、秋リーグの東洋戦で私が初ゴールを含む2得点を決め、及川も先発キーパーとしてスーパーセーブを連発する事件が発生しました。結果は惜しくも負けてしまいましたが、興奮冷めやらない2人はその日の夜、丘の上の公園から夜景を見て「4年になったら俺たちのチームだな」と今後の大学生活について熱く語り合いました。今改めて文章にすると相当恥ずかしいことをしていますが、この時の誓いが今シーズンの原動力だったと言っても過言ではありません。ただの仲良し同期から主将と副将という関係になり、チームを引っ張る上で大変なことも正直ありました。しかし、「俺たちのチーム」と言ったら怒られそうですが、1年の時の戯言が現実になり2人で責任を負って戦う時間がなにより楽しかったです。及川自身は今シーズンの出来に満足していないようですが、誰よりもストイックに努力している背中を後輩や同期はしっかり見ています。私もよく小島快と「及川でダメだったら仕方ないわ」と話していました。二人で楽しめる最後の早慶戦、ぜひとも一年間期待し続けた私の気持ちにこたえてほしいものです。
「頼もしい守護神、最後の試合は頼んだよ。」
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さて、及川へのラブレターが終わったところで本題に入ります。今シーズンを締めくくる大事なダイアリー、何を書くのか、実をいうとまだ決まっていません。というより決めていません。引退前日を迎えた今、私がアイスホッケーに対して、そしてこのチームに対してなにを思っているのかを感情のまま綴りたいと思います。及川のような文才もなくただ胸の内をさらけ出すだけの文章となってしまいそうで恐縮ですが、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
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「アイスホッケーとの出会い」。17年前に突如として発生したこの特大イベントは、その後の私の人生を大きく左右するものでした。狂ったように家の中でスティックを振っていた幼稚園時代。現地の友達にも休み時間にホッケーを布教しており今となってはそのコミュ力に驚かされます。週末の練習を生きがいに学校生活を送っていた小学校時代。本格的な競技としてのアイスホッケーが始まり、全国優勝をはじめ濃い思い出がたくさんできた6年間でした。大会に命を懸けていた中学校時代。周りのレベルも格段に高くなり、だからこそ大会で結果を残したときはそれまで感じたことない快感を得ることができました。そして、高校時代。昨年のダイアリーでも書きましたが、アイスホッケー人生の中で唯一大変な時間の方が長かった3年間でした。それでも最後までやり切れた、そして今も行ってよかったと心から思えるのはアイスホッケーが好きだったからであり、この経験があったからこそ大学ではさらにアイスホッケーを楽しむことができました。
ここまで簡単に大学に入るまでのアイスホッケー人生について書いてきましたが、みなさんお気づきのように振津は狂ったようにアイスホッケーが好きな少年でした。そして、この気持ちは現在も一ミリも変わっていません。もちろん、試合でうまくいかなかったときや辛い練習のときなど一時的に嫌になることはいくらでもあります。それでも、氷に乗ってパックを触ったら楽しいしシュートを決めたらどんな時でも最高にうれしいのは5歳の時から変わったことがありません。ここまで純粋に好きになれるものは今後の人生でも絶対に出てこないと断言できますし、一生夢中になれる「唯一無二」に5歳で出会うことができた自分はこの上なく幸運だと今になって実感しています。
そして明日、早慶戦をもって17年間のアイスホッケー人生に一旦終止符が打たれます。実感があるかと言われたら、ないです。アイスホッケーが人生の中心ではなくなった時、どう生きていけばいいか正直分からないです。ただ、一つだけ断言できることがあります。それは、「アイスホッケー人生を引退するのに、このチームでよかった」ということです。主将として、1年間一緒に戦った仲間として、今年のチームは最高です。チームスローガンであるThe Oneを全員が体現し、まさに唯一無二の集団であり一緒にプレーするのが楽しくて仕方ありません。もっとみんなで試合したかったという気持ちはもちろんありますが、まずは明日大舞台で試合できる幸せを噛みしめて全力を尽くしたいと思います。
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最後に、4年間お世話になった同期とこれからのアイスホッケー部を支える後輩たちに簡単にではありますがメッセージを残したいと思います。及川や小島快のような感動的な文章は期待しないでください。ではいきます。
「同期へ」
まずは4年間(2人は3年間)ありがとうございました。なにがありがとうかと言われてもちょっと困るけど、とにかく一緒にいて居心地がよかった代なのかなと勝手に思っています。1個上みたいにずっと一緒にいるほど仲がいいわけでもなく、かといって不仲では全くないこの関係性が自分にとっては心地よく、結果的に今年のチームの一体感を生んでいたのかなと思います。4年間それはもう色々なことがあったけど、今となっては全部笑い話だし5年後ぐらいにみんなで飲みに行って暴露大会とかできたらいいね。この代できるラスト1試合、終わったら笑って泣けるようにみんなで頑張りましょう。あと卒業旅行もいい加減決めましょう。
「後輩へ」
みんなに伝えたいことは山ほどあったのですが、いつものアップ後のように及川が素晴らしい文章で言いたいことをほぼ全部伝えてくれました。なので、僕からは簡潔に。まずは、こんな頼りないキャプテンに一年間ついてきてくれて本当にありがとうございました。みんなが4年生を信じてついてきてくれたおかげで、胸を張っていいチームができたと誇ることができます。一生、君たちは自慢の後輩です。そして、来年1部Aで戦うみなさん、正直今年よりも来年の方が辛いと感じる瞬間は多いかもしれません。それでも、今年1年の驚異的な成長を見る限り君たちなら絶対に大丈夫です。話し合いを重ね、試行錯誤を繰り返し壁を乗り越えてきた君たちなら、来年の今頃想像もつかないぐらい強くなっているはずです。僕は気楽に観客席からヤジを飛ばしているので、今年を軽々と上回るような最強のチームができるのを心から楽しみにしています。本当に今までありがとう、最後にあと1試合だけ、君たちの力を貸してください。
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以上をもってラストダイアリーとさせていただきます。ラストにふさわしい内容となったかは微妙なとこですが、自分の気持ちを吐き出せたので個人的には満足しております。本当はもっと個人の名前を出して感謝を伝えたかったのですが、全世界に発信するのは少し恥ずかしいため改めて直接伝えようと思います。ここまでお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
1/5の早慶戦をもちまして、私を含む11人の4年生は引退します。MGの方々、OBの方々が用意してくださった最高の舞台で、これまでの全ての感謝を込めて全身全霊で戦って参ります。ぜひ最後まで応援の程よろしくお願いいたします。