浄土・真言を並立する當麻寺は、
612年の創建で、深い歴史を辿る古刹。
奈良時代に、浄土を求めて出家した中将姫が
織り上げた綴織當麻曼荼羅が奉納され、
後にこの曼荼羅を本尊として曼荼羅堂に安置、
金堂に代えてそちらが本堂になったそうです。
823年、空海が當麻曼荼羅の前で瞑想、
元々は三論宗の寺院だった當麻寺は密教化
していったとのこと。
後に、法然の弟子である証空も當麻曼荼羅に帰依し、
全国各地に曼荼羅信仰は広がっていきました。
當麻曼荼羅は、
浄土教を大成した善導大師による
観無量寿経の注釈書に基づた阿弥陀浄土変相図。
縦横約4メートルの曼荼羅は、
現在の本堂でご本尊として祀られています。
さて、元々の本堂である金堂には……
創建当初の作と言われる国宝・弥勒仏が!!
菩薩像ではなく、
56億7千万年後に悟りを開いた如来形の弥勒、
飛鳥時代に造像された塑像です。
現存する最古の塑像であり、
表情から体躯まで、独特の威厳が漂い、
確かな心強さを感じる仏像で、
弧を描いた眉や切れ長の目には白鳳仏の
特徴も見られる貴重な像です。
講堂の方にも定朝様の阿弥陀如来座像をはじめ、
見所満載の仏像が立ち並び、壮観です!
曼荼羅堂には、平安時代作の通称・織姫観音も
安置されており、こちらもたおやかで気品のある
やさしい十一面観音立像。
大和の聖地、當麻寺でゆっくりまったり、
浄土と真言の息吹きを同時に感じるひとときが
心和ませてくれる、
そんな超パワースポットです(^o^ゞ