「学校に行きたくても行けない」不登校は登校拒否ではありません。

 その原因など、誰にもわからないし、あるかどうかもわかりません。

ただ、「きっかけ」は様々です。でも、そんなのどうでもいい。

彼は小学校低学年ですでに学校に行きづらくなり、私が教育委員会時代に運営していた「適応指導教室」にお母さんに連れられて訪れました。

結局、中学もあまり登校していませんでした。

高校に入学してからは、理解ある先生に出会い(本人談)徐々に勉強をはじめました。

ようやく、学ぶことや人と関わることの楽しさを知り卒業。

そのまま社会に出ても良かったのですが、自分と向き合う時間が欲しい、と大学に。

大学4年間にも様々なことがありました。

月日は流れ、大学卒業の年、就職活動も厳しい中、彼は自分で内定を獲得。

出張が多くなかなか会えない私に「自分の口から報告したい」と何度も何度も研究室を訪ねてくれたとのこと。

職員がやっと私の空いている時間を調整してくれて、彼から就職の報告を受けました。

「先生、お世話になりました。お陰様で○○に就職が決まりました。」

「おめでとう!お祝い何が良い?」

「何も要らないです」

「そう、わかった。頑張ってね。」

帰り際、振り返った彼は

「でも、先生、お祝いしてもらえるなら、先生と母さんと3人で食事がしたい」

ほぼ、誰にも心を開かなかった彼が、自ら仕事を探し、試験を受け、合格した。

そして、きちんと報告に来て自分の言葉で語った…。

それだけでも、彼の「生きる力」に感動したのでした。

 

大人でも、お世話になってもあとはそのまま…という人間の多い中、子どもながらに

「仁義・礼節」を感じていたのかな、と。

分刻みのスケジュールでろくなチョイスもできず、とりあえず、大分県で一番高いところ(値段ではありません(^_^;))であるホテルの最上階レストランのフルコースを予約。

まずは、一番頑張ったお母さんに花束を差し上げました。

彼からのお礼のプレゼントはロクシタン。

仕事で忙しかった彼はお母さんにデパートで下見をお願いし、当日、自分が「けいこ先生に一番似合う香り」を選んだのだそう…。

もったいなくて使えない。