住宅地の価値基準の変化 | 京浜不動産鑑定所のブログ

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不動産市場の大きな変化について、その特徴的なところをとらえてお話しします。


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3回目 住宅地の価値基準の変化

①新築主義、②接近主義、③容積主義、④画地主義。

住宅地の価値は、上の四つで現わすことができました。この四つの特徴を持つ住宅地に人気が集中し、取引価格も高かったのです。ところが、これも過去の市場のことになりつつあります。地価の下落が20年以上も続く、今の不動産市場の常識とはかなりずれていています。

①新築主義とは、文字通り、新築住宅の人気が高く、中古住宅は見向きもされないという市場現象です。地価バブルのころ、中古住宅の査定では築後18年で建物価値はゼロと扱われました。住宅は20年未満で、対価を払ってまで買おうとする人はいなかったのです。

では、その頃人はどうしていたかといえば、取壊して建替えたのです。大きな修繕のために大金をはたくくらいなら、新しく建替えたって変りがないとばかりに、中古住宅は取壊して、建替えたのでした。

こうした現象は、古くからの由緒のある住宅地の中古住宅でも大手不動産会社が新規に分譲する大規模住宅団地に人気の点でかなわなかったという現象にも表れていました。

②接近主義とは、住宅地の価値は都心と最寄駅への接近の程度で第一義的に決まるという傾向です。

③容積主義とは、建築基準法上の用途地域の容積率や建蔽率が高い方が、市場での取引価値が高いという傾向である。利用可能空間が大きい方が市場での評価が高いということです。

④画地主義とは、住宅地の価値は画地単位でみられ、画地が連担することによって形成される街区や地域単位では必ずしも評価されないという傾向です。隣に嫌悪施設あるなら別ですが、住宅地が取引されるとき、隣の敷地がどのように利用されているかということはほとんど意識されなかったのです。

さて、こうした傾向が、現在の不動産市場ではことごとくひっくり返されそうな勢いである。

①新築主義は、新規の大規模分譲住宅団地が開発されなくなって消滅した。求めても得られないからである。そして、中古住宅の良さがが再認識されているのです。

②接近主義については、住宅地の環境が重視されてきているので、駅に近い住宅地が必ずしも良い住宅地であるという評価につながらなくなってきています。

③容積主義は、容積率の大きな住宅地は、隣にパチンコ屋ができても文句の言えない住宅地であるということです。

④画地主義は、住宅地の選択指標として近年顕著になっている傾向で。住宅地の環境はその土地単独では実現しえないという認識に基づくものです。居住環境の改善は、画地単独では実現できない。同じ住環境への思いが、連担する敷地の間で共有され、一つの街区単位で実施されることによって初めて実現するのだということが認識されています。

全て、不動産市場での不動産の価値基準が転売目的ではなく利用を重視する方向にシフトした結果です。

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