不動産市場の大変化 | 京浜不動産鑑定所のブログ

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不動産市場の大きな変化について、その特徴的なところをとらえてお話しします。


テーマ:

不動産市場の大変化

                               原野 柴地


‐地価の下落が20年も続くと不動産市場には化学変化のような変化が起きるという話‐


地価が下落を続けています。地価とは土地の取引価格のことです。これが何年ものあいだ、下がりっぱなしなのです。

バブルがはじけたのが平成3年のことですから、もう20年も地価の下落は続いていることになります。それなのに、一向に反転上昇の兆しが見えてきません。

実は一度だけ地価は上昇しかけたことがありました。Jリートがブームになってリート銘柄の上場が相次いだ平成17、8 年頃のことです。当時、不動産の証券化の世界でミニバブルと言ってよいような現象が生じて、15年間も続いた地価の下落がようやく終わるかと多くの市場ウオッチャーは一瞬思ったことがありました。そこへ、平成18年のサブプライムローン問題と19年のリーマンショックが太平洋の向こうから、津波のように襲ってきて出鼻をくじかれ、そのあとに、太平洋から本当の大津波が来てとどめを刺され、地価の上昇気流は立ち上がりはしたものの雲散霧消してしまったのです。

将来を見通しても、「デフレの正体」(新書 <角川Oneテーマ21>)の藻谷浩介氏が言てますが、日本はこれから、「生産年齢人口」が急速に減少するし、世界における日本の経済的地位の相対的低下が続く中では、地価上昇の見込みは薄いわけです。

そうなると。これからの不動産市場がどうなるかが問題になります。

平成3年に10歳だった少年・少女は今30歳の成人になっています。この人は物心ついた頃から現在まで、一度も地価の上昇局面を体験したことがないのです。この世代の後には、生まれた時にはバブルが崩壊していて、"失われた20年"の中で成長し、大人になった世代が続いています。彼らは気の毒なことに一度も日本の好景気を体験したことがありません。このような人たちが、サラリーマンになり、公務員になり、街の商店で働くようになって、それぞれの職場で期待の中堅に育ちつつあります。その一方で、列島改造ブームと狂乱地価の二度の土地バブルを経験して、土地神話がいまだに抜けきらない団塊の世代は、「生産年齢人 口」から外れていきます。こうして、地価の下落の中で育った世代が社会の人口構成の過半を占めるようになると、彼らが、地価の上昇を前提としない社会を構想するようになっても、まったくおかしくないわけです。

20年ものあいだ地価下落が続くと、不動産市場では質的な変化が始まるということなのでしょう。変容と呼べるような化学変化が起きると考えるといいと思います。

その兆候はすでに出ています。

以前の不動産市場の大きな特徴だった、「土地神話」はとっくの昔に消滅し、「更地至上主義」は崩壊してしまいました。

「なぜ、町の不動産屋はつぶれないのか」(祥伝社新書)の牧野知弘さんが言っていますが、不動産はキヤピタルゲイン狙いからインカムゲイン狙いの商品に戻っているのです。

あれほど土地を買い込んでいた企業や自治体が、土地を処分し始めました。不動産はリスク資産になってしまっているわけです。

借地が増えていいます。土地は買うより借りる時代が来ているのでしょう。


このブログで、私は、不動産市場では、これまでとは潮目が逆に流れて始めていること、これまでの常識からは真逆のような市場になっていることを、何回かに分けて、具体的にご紹介したいと思っております。


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