■■【経済の読み方】 2013年3月上旬を時系列的に見る

 時代の流れを時系列的に見ると、見えないものが見えてきます。NHKの放送や新聞・雑誌などを見て、お節介心から紹介しています。



◆ 日本産の天然ガス「メタンハイドレート」が一歩前進 2013/03/10

 当ブログでは何度もご紹介してきました「メタンハイドレート」ですが、近い将来、国産天然ガスの資源として期待されています。

 メタンハイドレートは「燃える氷」とも呼ばれる天然ガスと水が結び付いてシャーベット状になった天然資源です。

 政府が愛知県沖合で試験採取の準備をしてきました。

開発が進めている「メタンハイドレート」について、愛知県の沖合で、世界で初めて海底からのガスの採取が実現する見通しとなったことが明らかになりました。

日本近海の海底にも埋蔵が確認されていて、政府はこのうち愛知県の沖合で、今年1月から試験採取の準備を進めてきました。海底より数百メートルの深さの地層から天然ガスを取り出すためのパイプを装着する準備などがほぼ完了し、週明けにもガスを採取できる見通しになりました。

 日本近海のメタンハイドレートは、愛知県の沖合の埋蔵量だけでも日本における天然ガス使用量換算で14年分に相当すると見込まれています。

 日本近海だけでも数十年分の埋蔵量と言われているだけに、採算性を含めた商業生産に向けて、安定的な採取ができるように早急にすべきです。


◆ 景気動向先行指標が大きな伸び 2013/03/09

 景気動向は、毎月内閣府が発表する「景気動向指数」が目安になりますが、これは1か月半ほどのタイムラグがあります。

 例えば2013年1月の景気動向指数のうち、景気の現状を示す「一致指数」は平成17年を100とした場合に、92となり、景気回復しているとは言えません。ましてや、この1月は、その前月を0.3ポイント下回った数値が発表され、2か月ぶりに低下したことになります。

 同時に発表される、景気の先行きを示す「先行指数」は、これからの見透しです。

 これによると、前月を3.1ポイント上回りました。しかも、昭和60年以来、過去2番目に大きな伸びです。このようなことを理解した上で「景気動向指数」を見ませんと、判断を誤りかねません。

 因みに、回復した背景は、アベノミクスにより株価の上昇や消費者の購買意欲の回復から、景気の先行きに期待を持てるという判断だろうと考えられます。

 一方、「一致指数」が悪くなったのは、製造業の生産が上向きましたものの、電子部品や一般機械といった業種で出荷が減少したことが主な要因と考えられます。

 他方、2012年10月から12月までのGDP(国内総生産)の改定値は、年率に換算した伸び率が速報値でマイナスでした。しかるに改訂値では、プラス0.2%と3期ぶりのプラス成長に修正され、景気が底を打って後退局面から脱しつつあることを一段と強くうかがわせる結果となりました。

 企業や国民は景気回復への期待が高まっていますが、生産や雇用などの実体経済が本格的な回復に向かうかどうか動向や消費税率が上がることの影響などを注視する必要があります。

◆ アメリカ株価最高値はホンモノか? 2013/03/08

 アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)は、全米の12の地区連銀が企業などに対して聞き取り調査を行いました。

 個人消費については、自動車販売が好調なことなどから、ほとんどの地区で拡大し、住宅市場についても価格が上昇することが解りました。

 その結果、最新の経済情勢について、住宅や自動車の販売が引き続き増加し、景気は緩やかながら全体として改善しているという判断を示しました。

 これを受けて、ニューヨーク株式市場でダウ平均株価が史上最高値を更新しました。

 本格的な景気回復への期待が広がっていますが、一方では、予算の強制削減など財政問題の行方が不透明です。これから消費や企業活動に悪い影響を及ぼしかね内面がありますので、先行きについて慎重な見方も併せて持っているべきです。


◆ ボーイング787は“夢の旅客機”ではなかったのか? 2013/03/06~07

 緊急着陸が相次ぎ、駐機場に留め置かれている“夢の旅客機”と期待されたB787ですが、何が原因なのか、関心が高い人が多いと思います。NHKを始め、多くのマスコミが報道していますが、最近はちょっと小康状態と言えます。

 B787は“夢の旅客機”と銘打って、2011年に華々しく就航しました。

 機体の素材やシステムを根底から設計し直し、コンピュータ制御で安全でかつ燃費が20%向上するとの前宣伝でした。だれもが新時代の旅客機として期待したと思います。

 それがまさかの異常状態に陥るとは、誰も考えていなかったのではないでしょうか。

 焼け焦げたバッテリーの映像を見せられたときに「何処の国の製品なんだろう?まさか日本製では・・・」ということがよぎりましたが、それがまさかの日本メーカーの製品であったことが、二重のショックでした。

 新興国に押されながらもリチウムイオン電池がまだ日本では期待できるMade in Japan製品なだけにショックは一層大きく感じました。

 日米合同の調査が始まっているのにトラブルの原因が解明されていないことは更なる衝撃です。日米のハイテク専門家が顔を合わせていますのに、原因がわからないことには、対応もできません。

 単に「日本製のリチウムイオン電池が問題だ」という結論でない現状に、一方でホッとしているのは私だけでしょうか?

 “夢の旅客機”ボーイング787型機のトラブル続出は、大きな波紋を呼んでいます。

 シアトル近郊にあるボーイング社の組み立て工場では、運航再開に備えて生産を続けています。しかし、原因究明ができていない現状では出荷を停止せざるをえません。

 B787は、2カ所の電池を電源として、極限まで電化を進めた、ハイテク機です。スイッチ1つで客室の窓で外の光を遮断できるというのは、自家用車に乗っている気分です。
 パイロットは、ディスプレイを見て、自機の情報を把握できるのです。

 これまで出荷した総数は50機で、そのうち半数近い24機が日本の航空会社です。

 電子化されている電気システム自体が、今回深刻なトラブルに見舞われているだけに、関係者は頭を痛めているでしょう。

 バッテリーは、全ての電気系統の源、B787の心臓部です。トラブルで電力が失われれば大事になることは素人でもことの重大さが解ります。

 すなわちバッテリーシステムのトラブルは決して起きてはならないものなのです。

 リチウムイオン電池は、パソコンを始め多くの電子機器に採用されていますが、旅客機として使われるのはB787が世界で初めてのことだそうです。

 リチウムイオン電池は、小さくても大量の電気をためられるという大きなメリットがあり、これから電気自動車などでは不可欠な時代になってきているのです。

 高性能である反面、扱いが難しいという弱点も持っているのです。

 その弱点の一つが有機溶媒を利用していることにあるようです。高い電圧を生み出すためにリチウムイオン電池に欠かせない液体です。この有機溶媒は、火気厳禁で、溶媒に火を近づけるとたちまち燃えあがるそうです。

 しかし、飛行機は、それよりも遙かに引火性の高い航空燃料で飛んでいるわけですから、それと比べると安全性は良いと言えるのかもしれません。

 この有機溶媒は、燃えやすいとはいえ、それ自体加熱するだけでは発火はしないようです。要は、火種が必要となるのです。その火種があったから、今回のトラブルに繋がったのです。すなわち電池自体の問題なのか、電気系統の問題なのか、それ以外の問題なのか、問題を複雑にしています。

 早期の原因発見と、効果的な対策が打て、省エネで空を飛んで欲しいですね。


◆ パソコン出荷台数が過去最低 2013/03/05

 今月24日(日)に、経営コンサルタントや専門職・士業の先生を対象とした「パソコンが“消える時代”の士業の勝ち残り策」と題する公開講座で講師を務めます。

                 35年の経営コンサルタント業の経験の中で、多くを企業におけるICT支援のアドバイスを経営コンサルタントの視点で行ってきました。それだけに、このようなテーマで講師を務めることが淋しいです。

                 しかし、現実を直視し、経営コンサルタントや税理士をはじめとした士業の先生方に、今後どのようにICTと関わっていったら良いのかについてお話をしようと準備を進めています。

                 その背景にあるのが、スマートフォンやタブレット端末の普及が急速に進んでいることです。2013年1月、国内で出荷されたパソコンの台数は、前年同月より13%減少し、出荷額は統計がある平成19年度以降最も少なくなりました。

                 電子情報技術産業協会の発表によりますと、ことし1月、国内で出荷されたパソコンは64万8000台でした。出荷額でみても18%減少して451億円です。

                 2012年の秋にタッチパネルによる操作性を高めた基本ソフト「ウィンドウズ8」を搭載したパソコンが相次いで発売されました。先日、日本でもマイクロソフトのタブレット端末の発売発表がありました。

                 ウィンドウズ8が思うように売れないことから、日本でもこの端末を発売する決定をしたと思われます。

                 このようなトレンドの中で、士業の勝ち残り策を模索し、それをお話しますので、経営者・管理職の皆様も、お仲間をお誘いの上ご出席ください。

                (http://www.glomaconj.com/consultant/3keikonhenomichi/keikon.htm#seminar)


◆ おいしいお米の条件<下> 2013/03/04

 NHKのTV番組で「美味しいコメ 変わる勢力図」という番組で、合瀬宏毅解説委員の話に興味を持ちました。

 日本各地には、いろんなお米があります。美味しさは、どのように決められるのかについて、<上>でお話しました。今日は、その続きです。

 今年のお米の特徴は3つあるそうです。

 まずは全体的に味があがったということです。生育期の天候が比較的よく、寒暖の差が大きかったことと、各地で美味しいコメ作りへの取り組みが進んだというのがその理由です。

 二つ目は北陸、九州の躍進が目立った。
 
 三つ目は新たな品種が高い評価を得た。

 では、米の美味しさというのは、厳密に区別できるのでしょうか?

 炊いたご飯を見た目や味、粘り、それに堅さ、香りの5項目で評価し、さらに総合評価を加えて最終的に決められるようです。

 味覚、臭覚、視覚など、五感を使っての判断ですから、人によるばらつきが出てしまうでしょうから、その判断に疑問を持つ人もいると思います。

 おいしい米の決定要因は、科学的には「アミロースとタンパク質の割合」で決まるそうです。

 アミロースは粘りに関係しており、これが低いほど良いとされています。一方タンパク質はこれが多くなるとコメがぱさぱさした食感になると言われています。

 美味しさの基準と言われるコシヒカリですが、アミロースの割合は20%。タンパク質は6~7%だとされています。

 最近は、コシヒカリを超える品種もあると言いますので、両者のバランスといっても、やはり個人の食感というのは異なりますので、一概に言えないのではないでしょうか。

 因みに、わが家で、今年評価の高かった、某ブランドと、農家から直送された南魚沼産コシヒカリの新米とを、炊きたてと冷えてからのご飯とをブラインドテストしてみました。

 わが家では全員が南魚沼産コシヒカリでした。その家の食習慣にも影響を受けるのだろうとも思いました。


◆ おいしいお米の条件<上> 2013/03/03

 日本各地で次々と新しいコメの品種が生まれ、味も良くなっています。

 NHKのTV番組で「美味しいコメ 変わる勢力図」という番組で、合瀬宏毅解説委員の話に興味を持ちました。

 日本各地には、いろんなお米があります。おコメの美味しさ、品種や産地だけでなく、そのときの気候などで大きく変わるようです。

 では、その美味しさは、どのように決められるのでしょうか?

 日本穀物検定協会という団体があって、そこで評価し、食味ランキングとして毎年格付けし公表しています。

 このランキングは、5段階で評価されています。

 おいしいお米というと全国に130近くのブランドがあるそうで、それらを対象に評価をします。

 おいしいお米の代表というと「魚沼コシヒカリ」が有名です。ところが、本来の魚沼コシヒカリというのは、新潟県南魚沼市のコシヒカリを指します。その中でも、旧六日町産を指すそうです。

 すなわち「南魚沼産コシヒカリ」を筆頭に、最も美味しいとされる特Aランクとされるものが全国で29もあり、評価の違いは品種改良や気候の温暖化の影響を受けて次第に少なくなってきているようです。

 最近注目されているのが北海道で「ななつぼし」や「ゆめぴりか」というのは有名ですね。

◆ あなたの借金?は870万円!! 2013/03/02

 「あなたは870万円の借金を持っているのです」と言われて、「そんなはずはない」と言えますか?

 財務省によりますと、国債に短期の借り入れなどを合わせた国の債務残高は、平成25年度末(3月)の時点で、1107兆1368億円に達する見込みです。今年度末と比べて101兆円余りも増えることになります。

 これは国民一人当たりに換算すると870万円になるのです。換言しますと、国の債務の多くは、国債でまかなわれています。国債の90%以上は国内の金融機関などが保有しています。それらの原資は、結局は国民の預貯金や金融資産などで購入されていることになります。

 安倍内閣は、景気てこ入れのため積極的に財政出動を行う姿勢を鮮明にしていますが、その原資は国債です。国債は、われわれの子孫に対する負の財産です。国の支出が効果的に使われているかどうかの厳しい目をわれわれは持たなければ、自分達の子供や孫、その先まで借金を押しつけることになります。

 悪い方に転がるとギリシャやスペインなどと同じ信用不安の元凶となるのです。


◆ アメリカはプラス、インドは低調?? 2013/03/01

 アメリカの商務省発表では、2012年10月から12月のGDP(国内総生産)が、前の3か月と比べて0.1%プラス方向に上方修正されました。

 秋以降、改善傾向が鮮明な住宅投資ですが、GDPの約7割を占める個人消費は、相変わらずほぼ横ばいのプラス2.1%です。

 財政の崖の延長線がクローズアップされてきましたが、折角民間ベースで景気回復が結果として出てきていますのに、結果次第では政府予算凍結でその影響が出かねません。

 イタリアの総選挙が過半数に達しなかったことから、円買いが起こるなど、不透明感が再び出てきてしまいました。

 新興国では、中国が回復基調とはいえ、PM2.5問題など、経済回復の足を引っ張るような懸念もあります。

 インドにおいては2012年10月から12月のGDPの伸び率は4.5%と、世界的な金融危機の影響を受けた4年前以来の低い水準にとどまり、インド経済の減速が顕著になっています。

 新興国の伸びだけに期待した経済政策ではだめだと、アベノミクスに期待する声も大きくなっているようです。機体をして良いモノかどうか、こちらもまだ不透明です。




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