■■【経済の読み方】 2013年1月下旬を時系列的に見る
世の中の動向は、アラカルト的に見ることも大切ですが、時系列的に見ると、また異なった面が見えてきます。
ここでは、これまでの流れをコンパクトにまとめてご紹介します。
◆ フィリップスの音響部門を売却 2013/01/31
オランダのフィリップスは、日本では電気シェーバーで知られていますし、音楽ファンには音響機器として根強いファンがいます。
知らず知らずして使っているのが、CD、かつてはカセットテープですが、その国際規格を作った会社でもあります。
かつてはフィリップスの核であった映像や音響機器関連の事業を、船井電機におよそ180億円で売却することが発表されました。対象となるのは、携帯音楽プレーヤーやヘッドホン、それにビデオプレーヤーなどの映像や音響機器の事業です。
デジタル家電を巡る世界的な競争の激化の影響が大きいようです。今後は、得意とする医療や健康関連に経営資源を集中させる方針です。
船井電機は、フィリップスのブランドを維持したまま、先進国だけでなくアジアや南米など新興国にも製品の販路を広げていく考えで、ブランド力を活かせるのは大きなメリットです。
◆ イラクに日本企業が舞い戻るか? 2013/01/30
フセイン政権崩壊後、まだ完全に立ち直ったとはいえないイラクです。かつては、日本人が1万人も暮らしていたイラクですが、ほとんど日本人がいなくなってしまいました。
イラクでは原油の生産が増えてきています。日本人の受けも悪くはない国です。治安も大分回復してきて「普通の国になりつつある」というのが、イラクの首都バグダッドに駐在する高岡正人大使の言葉です。
中東のビジネスの拠点、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイに事務所がある日本企業の団体が、日本企業の社員およそ100人を総領事公邸に招いてセミナーを開催しました。
出席者から、今後の治安情勢の行方をどうみているかや、日本企業が現地のイラク人社会に溶け込むためにはどういった取り組みが必要かといった質問が出ました。
すでに中国人は1万人を超えるイラクです。はたして、日本企業が再びイラクに舞い戻ってくるのでしょうか?治安が本当に安定するのかどうかが、キーとなりそうです。
◆ ヨーロッパ車の動向 2013/01/29
ドイツのメルケル首相が、アベノミクスは、為替円安誘導であると、厳しいコメントを出しました。その背景には、好調なドイツ車に対抗できる日本車が円安で入りやすくなることへの警戒感があると考えます。
日本の国内市場では、中古車が対前年比で6.4%増と、12年ぶりに中古車売上が伸びたと報道されました。タイムラグはありますが、まだまだ国民には先行きの不透明感が強い結果かも知れません。
そのような中で、海外の自動車メーカー各社は、燃費のよさで車を選ぶ人が多い日本の市場にあわせた新型車を相次いで投入しています。
中でも、ドイツにとって大きな市場であるだけに本腰が入っているように見えます。
メルセデス・ベンツは、1月に日本で発売した新型車は、燃料の消費を抑える独自の機能がついているにもかかわらず、最も安い280万円台のクラスにも搭載しました。信号待ちなどで停車した際、自動的にエンジンが止まってガソリンの消費を抑え、燃費は従来のモデルより34%改善されたということです。
フォルクスワーゲンは、運転状況に応じて一部のピストンを止めてガソリンの消費を抑える技術を搭載した新型車を、ことしの夏、日本で発売する計画です。
縮小傾向の日本市場ですが、燃費を重視した車を増やしてきており、日本での販売台数を去年まで3年連続で伸ばしています。今年は、低価格車でも日本市場でさらに伸ばそうという勢いです。
◆ 洋上風力発電に日本企業の動き 2013/01/28
福島原発事故やLNG輸入増加などから、発電への関心が高まっている昨今です。
その一つが福島県や茨城県における洋上風力発電です。この動向に鑑み、日本の大手商社が動きを見せています。アメリカに於けるシェールやロシアのLNGに加え、風力発電にも展開が広がってきています。
「丸紅」は、この分野で世界トップのシェアを持つデンマークの企業と共同で、イギリスの沖合で大規模な風力発電事業の運営をすでに始めています。「三菱商事」は、この分野でノウハウを持つオランダの大手電力会社と提携し、事業に参入することになりました。
これらの動きは、ヨーロッパの企業と提携して現地での事業に乗り出し、そのノウハウを得ようという考えであろうと推察します。
発送電分離により、発電事業への新規参入の敷居が低くなることは必定でしょう。そのような中で、原発に頼らずに、太陽光発電など資源再生エネルギー分野への関心はもっと高くなってしかるべきです。
◆ あなたの年金が減額される!! 2013/01/27
年金財源が年々減少していることはご存知のことでしょう。しかし、すでに支給されている年金が、減額されることをご存知でしたか?
現在支給されている年金額は、消費者物価指数により変動する特例措置があります。平成25(2013)年度の年金の支給額は、2012年の全国の消費者物価指数が2011年と変わらなかったことから、2013年9月までは2012年度と同額に据え置かれます。
換言すると2013年10月からは、基礎年金、厚生年金ともに月額で1%、引き下げられることになります。基礎年金が満額を受け取っている人の場合、666円、厚生年金が夫婦2人の標準的な世帯で、2349円引き下げられます。
一方、物価の動向で変動する国民年金の保険料は、ことし4月から月額60円引き上げられ、1万5040円になります。
老後の生活も、金額が十分ではない年金ですが、受け取れる金額が変動するのでは安心して生活できませんね。
◆ 農業振興に若者活用を 2013/01/26
農業関係者を始めいくつかの業界ではTPPへの反対が強くあります。一方で、日本農業はいろいろな課題を抱えています。NHKの合瀬宏毅解説委員が、わかりやすい解説をしていました。
農村では高齢化が進んできており、後継者不足がますます深刻になっています。都道府県などが中心となり、農業をやりたい、若い人を募集する様々な説明会を開いています。
かつては農業をやっている人、家が農家だったからという人が多かったのですが、最近は若い人たちの中に、動物や自然が好きだから、あるいは農村に住みたいからという人たちが増えているそうです。
農業というとコメ作りをイメージしますが、畜産や野菜、花に至るまで様々です。しかも生鮮品として出荷するか、加工するのかで技術も全然違います。自分がどういう農業を選ぶか、これが重要です。農業を始めた人の体験を語るセミナーなどは、実際にやってみての苦労や課題などを知ることができます。
青年就農給付金という制度があります。農業を始めたい人が、農業法人などで研修を受ける場合、生活資金として2年間にわたって年間150万円の給付が受けられます。
さらに独立して農業を始めた場合も、最長5年間にわたって同じく150万円が支給されます。つまり7年間にわたって最高で1050万円が支給されることになります。
この制度は2012年に民主党政権が始め、大変好評で、安倍政権にも引き継がれます。
給付金ですから返還の必要もないのです。
ただし、原則として45歳以下、研修終了後1年以内に農業を始めることが義務づけられています。また就農後でも年間の所得が250万円を超えた場合にはそこで打ち切られてしまいます。
このような制度がまだまだ知られていません。若者の失業率が高い中、このような制度を活用して、日本農業の活性化を期待したいです。
◆ IMFもアベノミクスを評価?? 2013/01/25
アベノミクスをマスコミや経済団体が高く評価していますが、一方で危ぶむ声も聞こえてきます。
そのような中で、IMF(国際通貨基金)のブランシャール調査局長は、政府と日銀が、2%の物価上昇率を目標に定めたことについて「歓迎する」と述べました。
しかし、財政出動による景気対策については、「国のGDPを上回る規模の債務を抱える国がしっかりした財政再建策がないまま赤字を拡大させるのは危険だ」と述べ、強い懸念も示しています。
IMFは、これに先立ちまして、最新の世界経済の見通しを公表しました。
ヨーロッパの信用不安が以前より和らぎ、徐々に上向いていくと指摘しています。
世界全体 3.5%
アメリカ 2.0%
ユーロ圏 -0.2%
日本 1.2%
中国 8.2%
中国が8%台を取り戻すという見方をしていますが、それが世界経済の牽引力に繋がるかどうかは不透明です。日本は、円安で貿易赤字幅をどれだけ縮小できるのか、円安によるLNGその他がどれだけ足を引っ張るのか、懸念材料がたくさんあります。
円安を歓迎している日本ですが、景気回復のために正しい政策をとった結果として為替相場が変動するならば適切といえますが・・・
◆ EUで金融取引税先行導入 2013/01/24
金融取引には、時として投機のために金融界が振り回されることがあります。その様な動きにブレーキをかける方策をフランスが以前より検討していました。それが金融取引税です。
金融取引税は、EU(ヨーロッパ連合)域内で行われる株式や債券などの取り引きに課税することによって、投機的な金融取引を制限するという、金融機関への規制強化が主なねらいです。
EUは、財務相会議を開き、金融取引税導入を承認しました。ただし、ユーロ圏全体を統一的にというわけではなく、11か国のみで先行して導入します。国の枠を超えて地域レベルで導入されるのは初めてのことです。
金融機関が集中するイギリスやオランダなどがEU全域で導入することに難色を示したため、一部の先行導入となりました。
これを受けて、ヨーロッパ委員会は近く、金融取引税の対象や税率などを定めた法案を提出することになりました。早ければ2014年にも新たな税金が導入されます。
◆ おとなの国、韓国 2013/01/23
”お隣の国”ではなく、”おとな”の国です。
竹島領有権問題で、お隣の国でありながら、いがみ合っていることは残念なことです。
かつて、ブログで竹島領有権問題に何度か触れましたが、難しい問題ですね。
韓国が戦後の歴史に固執して主張、日本人は戦後史を学校ではほとんど学んでいないので、そこに認識のずれが生じていることも背景にあるように思えます。韓国の戦後教育は、反日思想を植え付けるようなことをやって来たと聞きます。そのために、日本に対する反発心が、感情的にまでなっているようです。
われわれも反省すべきことがあるのではないでしょうか。
一方で、竹島は、近代史をひもとくと日本の領土であり、それを無視して、戦後の李承晩ライン、戦後処理など、一方的な韓国のやり方にも問題があるように思えます。
このような日韓の感情的なもつれの時期に、表現は不適切かもしれませんが「韓国らしくない」ことが報道されました。
2012年の韓国における「カー・オブ・ザ・イヤー」にトヨタの「カムリ」が選ばれたのです。
海外各地で日韓の自動車販売合戦は熾烈です。その様なときに、国を挙げての韓国のビジネス方法は「株式会社コリア」といえるほどです。その韓国が、ライバル日本車を選んだことは、株式会社コリアにとっては、大きなマイナスでしょう。
しかし、それをやりとげたことは、韓国の自信の表れでもあるし、韓国が文字通り先進国の仲間入りしたことの証でもあるように考えます。
日本は、上から目線で韓国や新興国を見たりするのではなく、同じ高さの目線で付き合うことが、韓国民の反日感情を氷解させ、融和的な関係に繋げられるのではないかと考えます。
◆ 技術者とロジカル・シンキング 2013/01/22
経営コンサルタントという仕事柄、データを整理したり、それを基に戦略・戦術を練ったり、コンサルティングをどのように進めたりしたら良いのか、ロジカル・シンキングを利用する機会が多いのです。
私自身が、製造業との関わり合いが多い中で経営コンサルタントを35年もやってきました。パソコン業界との関わり合いもあり、ICT業界での仕事もかなりの比率で承ってきました。(時期により比率は異なる)
もう、十数年も前になりますが、ある企業からロジカル・シンキングの研修をやって欲しいという依頼が飛び込んできました。当時はまだロジカル・シンキングという言葉がキチンと定着していない時期でした。経営コンサルタント向けにそれよりも5~6年ほど先行して、論理思考によるコンサルティングというテーマで研修をしていましたので、それらを基にロジカル・シンキングの体系化を図りました。書籍も出版されておらず、全て手探りの中での体系化です。
コンサルタント向けには、実践面で利用できることが重要ですが、講演や研修となると体系化されていなければ、それを主催する側が認めてくれません。
私は、論理学を始め、関連する学問の書籍を読みあさり始め、第一回の研修を行いました。対象は、大企業のトップでしたが、結果は散々でした。要は、ロジカル・シンキングというよりは論理思考の理論体系を、論理学や演繹・帰納法を中心にまとめただけの、木に竹を接いだ感じのロジカル・シンキングだったのです。
結果は不評であったにもかかわらず、トップ層が学び終わりますと、そのすぐ下の階層を対象とした研修も引き受けることになりました。
「実践に使えるロジカル・シンキング」という観点で、それまでの論理学などのアカデミックな部分を極力削ぎ落とし、経営コンサルタント向けに実施してきた手法を織り込むようにしてきました。それが結果的には喜ばれたようです。
ロジカル・シンキングというのは、論理学などのような学問とは生い立ちが異なりますので、「論理思考とは、演繹法と帰納法がすべてである」「論理思考は、階層思考が基本である」という今で言えば「古典的ロジカル・シンキング」からの脱却を図りました。
パソコンが普及しだし、Excelのピボットテーブルやグラフ機能の前進の機能が使われるようになってきました。マーケティングも定着し、コンサルティングで培ってきたデータ整理と分析のノウハウを統合的に加味して、今日のロジカル・シンキングに通じる基本を、研修で提供するようにし始めました。
すなわち、理論よりは実践に直結することの大切さを基本とし、ロジカル・シンキング的な発想基本とツールの組み合わせという、これまでにないロジカル・シンキング体系の誕生です。ツールというのは、ロジカル・シンキング独特のものではなく、これまでも使ってきたり、見たり聞いたりしてきたものです。それを今までと同じように利用するのでは、何ら変化は生まれません。すなわち、ロジカル・シンキングに必要な発想基本を加味して利用することが大切なのです。
すなわち、データをマトリックスやマーケティングの3C、4Pとかアンゾフの市場戦略とか、ツールを漠然と紹介し、利用するというやり方に、ロジカル・シンキング的な発想基本を触媒にして、実務に使いながら、ロジカル・シンキング的発想法を体得するという方向が研修のポイントとして固まってきたのです。
すなわち、ロジカル・シンキングは、データや情報の整理だけではなく、整理した内容を分析し、戦略を立案・意思決定し、それを実務的なアクションプランに落とし込み、進捗管理を行うという、ロジカル・シンキングの活用範囲を拡大することができたのです。
はじめは試行錯誤の連続でした。とりわけ経営戦略とか、営業・マーケティングの分野向けのロジカル・シンキングは、昨今利用している体系の原型がほぼ出来上がってきたのです。
ところが、技術者向けのロジカル・シンキング研修は今ひとつ自分でも納得がいかなかったのです。
技術者は、自然科学には通じていますので、基本的な部分で古典的なロジカル・シンキングに通じる演繹・帰納法的な発想に固執しすぎるのです。それに対して、社会科学では、「1+1=2」というのような明快な答えを出せないことが一般的です。
技術者の中には、自然科学的な発想に固執するがために、演繹法や帰納法では説明がつかない部分を容認できない人がいるのです。
技術者向けのロジカル・シンキング教材の中で「命題の本質を認識し、本質的な切り口で設定する」というような表現を使いました。命題の本質を認識すると言うことはどういうことなのか、この教材の中には自然科学的な説明がなく、抽象的で、解りづらいというのです。
「A=B」で「B=C」なら「C=A」であるというように、答えがキチンと出ないと納得がいかないのが自然科学的な発想です。
それに対して、私は実務や研修では、答えを言わず、失敗させる、考えさせる、矛盾に取り組ませるということを基本にしています。すなわち、答えは知識や経験をベースに、ひらめきから得ることが重要であると考えているのです。
ロジカル・シンキングとひらめきは、技術者には「非論理的」であって、その両者が結びつかないのです。
日本人で最初にノーベル賞を受賞した、湯川秀樹博士は、寝ているときに中間子理論を思いついたと言われています。すなわち、基となる知識や経験があるから、ひらめいたのです。
演繹法や帰納法では、事実が基本になる発想法ですから、それに固執しすぎますと、そこから脱線した発想が生まれがたいのです。事実や目の前の現象を、いろいろな角度から観ることによって、そこに新しい発見が生まれることに気がつきませんと、ひらめきという言葉を納得できないのです。
「新規なこととか重要なことは、目に見えない」ということを私は、若手の経営コンサルタントや研修受講者、クライアント・顧問先の人達にしばしばお話します。それを感じ取れる能力が必要ともいいます。
経営戦略上で「差異化(差別化)」ということは、昨今では非常に重要な戦略の一つです。従来の、演繹法や帰納法に固執しすぎますと、このようなひらめきから生まれる効果的な差異化(差別化)的発想は生まれないのです。イノベーションは、不可能に近いのです。
技術者のロジカル・シンキング研修では、先ず始めに「自然科学と社会科学の違い」を考えさせます。ロジカル・シンキングの研修で、いきなりこのような課題が投げかけられますと、非常なインパクトとして体験してもらえるようです。
前述の教材作りでも、最初に一般的な教材のイントロとは異なることをトップに持ってきたら、案の定、担当者は気に入りませんでした。すなわち、教材とは、○○のようなイントロから始まるのだという先入観があり、それからはずれますので、私の試みは却下されてしまいました。
自分の経験や知識に固執しすぎますと、色眼鏡をかけて目前のことを見るために、それが異なった形で見えていることに気がつかないのです。
「ゼロベース思考」をしましょうといいますと、知識や経験があるのになぜゼロから発想を始めなければならないのか、第一ゼロから発想を始めるなんてことは人間にはできっこない。
「ゼロ」という言葉に執着していますから、このような発想になってしまいます。そこで、この教材作りの途中から「ゼロベース思考」という言葉を止めて「リセット思考」という言葉に切り替えるようにしました。
「技術者こそ、マーケティングが重要です」ということも強調するようにしています。「プロダクトアウト」ではなく「マーケットイン」ということを理解してもらうようにしています。それによりロジカル・シンキングでは、今まで技術者には馴染みのなかったフレームワークがあるということと、マーケティングが自分の業務に必要なのだということも発見してもらうようにしています。
それとともに、なぜロジカル・シンキングを学ぶのか、その背景をキチンと理解してもらうことも重要と考えています。
技術者に限ったことではないのですが、「自社の常識は他社の非常識」ということが言われます。すなわち、業界の動向とか時代背景というようなことは、解っていて当たり前、と講師が考えていると大きな間違いを犯します。時代背景とロジカル・シンキングとがどのような位置づけにあるのか、今ロジカル・シンキングを学ばなければいけないということを再認識することが重要なのです。解っていることでも、それを再認識することにより、それがモチベーションに繋がることがあるのです。しかし、リセット思考ができない人には、教材の中で、改めてそのような当たり前のことをいう必然性はないと考え、反論してくるのです。
技術者の研修で、最も強調することは「自分は技術者だし、論理的な思考はできる」という思い込みをリセット思考すべきと言うことです。ところが、これが最も理解されないことでもあるのです。
「あの人の言うことは、非論理的で解りづらい」
しばしば聞く言葉です。しかし、それは相手の言いたいことを理解する力が自分にないからかもしれません。それを言っている人は、考える機会を提供しようとしているのかもしれません。
人間、謙虚さを持ち合わせませんと、自分が成長する機会を損失していることにも気がつかないのです。
◆ 中国の労働人口が減っている?? 2013/01/21
中国国家統計局は、労働人口が減少していると発表しました。2012年末の時点での15歳から59歳までの労働人口が、前の年に比べて345万人減って、9億3727万人となりました。
一人っ子政策を数十年にわたって続けてきた結果だという説明です。
一人っ子政策をとりましたものの、二人目は処々で誕生してしまい、それが人身売買や親なし子に繋がっているということがいわれています。それが将来の社会不安に繋がる心配もあります。
また、日本にも観られますように、労働人口の減少は、今後の経済成長への影響が懸念されます。
このことから、一人っ子政策の見直しも俎上にあがるのではないでしょうか。
一方で、反日デモで大きな被害を受けた日本企業は、中国以外の国で生産を強化する動きは今後活発となるでしょう。
日本の企業がASEAN(東南アジア諸国連合)の加盟国の留学生を獲得しようという就職セミナーが東京で開かれました。タイやインドネシア、ミャンマーなどからの留学生およそ190人が集まりました。
タイのバンコクでは日本人商工会議所が就職説明会を開催したりしています。製造業やサービス業などおよそ70社の日系企業が参加しています。
日本企業のグローバル化へのスピードは高まるでしょうが、一方で日本国内の産業空洞化をどのように進めるかの二面性を考慮した、国としての戦略が求められます。
◆ LINEの普及と波紋 2013/01/20
韓国のIT企業「NHN」の日本法人が提供しているスマートフォン向けに開発された「LINE」をあなたもご利用かもしれません。
アプリケーションをダウンロードすれば、登録者同士は無料で通話やメールのやり取りができるので利用者は1億人を突破しました。2011年6月にサービスが開始されたばかりでの急増です。
利用者の中で日本人が圧倒的に多いですが、「LINE」を運営する「NHNジャパン」の森川亮社長は、今年は本格的なグローバル展開を目指すと公言しています。L
フェイスブックやツイッターのような世界的サービスに並ぶ可能性を秘めています。
無料であるために携帯電話会社の収入を圧迫することは必定でしょう。また、SNS的な利用者が多いですので、未成年者が犯罪に巻き込まれる危険もあります。
ICTは両刃の剣ですので、利用者が正しく利用することを願います。
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