それは事実か?考えか? | 闘魂日記<by 伴走社>

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研修の取組みを通じて、人が育つ職場とはどうあるべきかを考えます。そして、研修成果、自己革新の行動が継続し、成果に繋げる取組みを追求していきます。


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上司と部下の会話を観察してみると、「自分の考え」をさも「事実」かのように相手に伝えていることが多いことがわかります。

部下との対話ロープレでもそれがよく見られます。

 

ケース①:任せた仕事の進捗を確認する場面

 

「頼んでたあの仕事、今日までって言ってたけど出来たかな?」

「いえ、まだもうちょっと時間がかかります」

「え?その仕事は、君が今日までにやるって言ったよな?ほんとに責任感のない奴だなぁ・・・」

「すいません・・・」

 

厳しく指導しようとしてるというコメントもありましたが、ちょっと待ってください。

 

この部下は、ほんとに責任感がないんでしょうか?

 

 

ケース②:営業から帰ってきた部下に商談状況を確認する場面

 

「今日は、A社の部長に会ってきたんだよな?どうだった?」

「はい、多分決まると思いますが・・・」

「おぉ、そうか!いつ頃決まりそうだ?」

「う~ん・・・恐らく来月には決めてもらえるんじゃないかなと思います」

「わかった。その調子で他も頼むぞ!」

 

部下のやる気を促していて良かったとのコメントもありましたが、ちょっと待ってください。

 

この部下の報告で、本当に決まると思っていいんでしょうか?

 

 

ケース①の場合。

何が事実かというと、「任せた仕事に対して、今日までに仕上げると部下が言ったけど、まだ終わっていない」ということ。

上司が発した「責任感がない」というのは“上司の考え”であって事実ではないんです。

 

ところが、責任感がない奴だと、さも事実のように決めつけて話をしてしまうので、部下の心理はどうなるかというと、拒否感や否定の心理が生まれてしまい、上司に対して反抗はしても自分の言動を振返ることをしなくなってしまいます。

 

じゃぁ、どうしたらいいか。

 

「頼んでたあの仕事、今日までって言ってたけど出来たかな?」

「いえ、まだもうちょっと時間がかかります」

「え?その仕事は、君が今日までにやるって言ったよな?」

「すいません・・・」

「自分でやると言ってやらない、相談もないというのは責任感が不足してると考えるけど、どう思う?」

 

「事実」と「考え」を分けて伝えることで、部下自身にどんな変化が起こるか?

 

(確かに、やるって言ったのは自分だし、焦っていて相談もしなかったなぁ。それじゃ、責任感が不足してるって言われてもしょうがないな)

 

といったように、自分自身の言動を振返る、「内省」が始まり、次からはどうしようと自分で考えるキッカケを与えることが出来るんです。

 

 

ケース②の場合。

 

この部下の報告を聞いて、「何が事実なんだろう?」と疑問を持つことが上司には必要です。

営業パーソンの心理としては、失注しそうですという報告はしづらいし、かと言って確実に受注出来ます!とも言えないとなると、あいまいな報告をしてしまいたくなります。

これが続くと、部下が自分で商談をきちんと振返らなくなってしまい、結果、見込みの精度も上がらず受注もいまいち、という結果になってしまいます。

 

上司としては、「何が事実で、何が部下の考えなのか」を質問しながら具体的にしていくことです。

 

「今日は、A社の部長に会ってきたんだよな?どうだった?」

「はい、多分決まると思いますが・・・」

「そうか。部長はどんなことを言ってた?」

「ウチの事をよく考えてくれた提案だと言ってくれました。」

「決まると思ってるのは、他に部長が何か言ってくれたのか?」

「はい。やるとなると、最初のA社とのミーティングはいつ頃しますかと聞いたら、早ければ来月初めにはしたいかなと言ってくれたので、これは堅いかなと思いました。」

「そう言ってくれたなら確かに堅いな。フォローはしっかり頼むぞ」

 

あいまいな部下の報告に対して、何が事実なのか、それに対してどう考えたのかを質問しながら整理していくと、部下自身の中で商談の振返りが始まります。

これを繰り返していくと、部下自身の報告の中身も、「事実」と「考え」を分けた報告をするようになってくるんです。

 

 

こうやって、「事実」と「考え」を分けてコミュニケーションを取っていくことで、部下自身が自分の言動を振返り、次の行動につなげるという

サイクルを回しだす、部下の主体性を育てていくことにもつながっていくんです。

 

逆に言うと、自分の考えを事実のように押し付けてしまったり、部下のあいまいな報告をさも事実のように受け止めてしまうと、結果的に部下は振返って自分で考えなくなってしまいます。

 

上司と部下の会話だけでなく、親子の会話、夫婦の会話でも同じような体験、ありませんか?

 

つい感情的になって「だからお前は○○なんや!」なんて息子に言うと、「決めつけんなや!」って感情むき出しで反抗してきます。

この「決めつけんなや!」の一言で、私の考えをさも事実かのように押し付けていたなと反省しました。

やってしもた・・・と思い直し、冷静に「お前がいつも~の行動をしてるのを見ると、わしからは○○って思ってしまうんや。どうや?」と問いかけると、「そう言われたら、そうかもしれん・・・」と自分の言動を見つめてくれるようになりました。

 

 

事実と考えをごちゃ混ぜにせず、しっかり分けてコミュニケーションを取っていかないと、自分では指導しているつもりでも、実は「考えない部下」を育てていることにつながってると思うとぞっとしますね。

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