燃える集団をつくる専門家 川添香です。
インポスターシンドロームについて書いた記事をfacebookで紹介したところ、
マミートラックに対応するにはコーチングがいいのでしょうか?とコメントがつきました。
「マミートラック」とは、子どもを持つ女性の働き方のひとつで、仕事と子育ての両立はできるものの、昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのことです。職場の男女均等支援や仕事と育児の両立支援が十分でない場合、ワーキングマザーは往々にして補助的な職種や分野で、時短勤務を利用して働くようなキャリアを選ばざるをえなくなり、不本意ながら出世コースから外れたマミートラックに乗ってしまうことが少なくありません。(日本の人事部より引用)
不本意ながら…とあるので、意欲があるにも関わらずマミートラック路線に乗ってしまったという状態が本来のマミートラックなのでしょう。
また、いつかは本来の路線に戻ろうと思いながら、マミートラックにはまってしまうということもあると思います。
身体的な負担、時間の制約、やってみて初めてわかる子育ての想像以上の大変さ。
加えて、心理的な不安、プレッシャーなどなど。
子育てとキャリアを歩む女性の試練は想像以上のものです。
二の足を踏んでしまうのもわかるというもの。
引用した記事では、マミートラックの解決策を
「女性活躍推進のカギはイクメン育成」
とさらっと書いています。
もちろん、社会的支援、理解ある職場づくりと並行してのイクメン育成という意味ですが、
それだけではうまくいかないぞ、と関係性のシステムコーチである私は思っています。
単純に夫がイクメン化すればいいというものではなく、
親となった夫婦が始めにする大事なことは、
夫婦として親として自分たちがどうありたいかを共有することです。
これを関係性をデザインすると呼んでいます。
妻がなぜ働きたいのか、その背後にある夢や願いは何なのか。
子どもを持ったことで、何を負担に思い、何をあきらめているのか。
またそれに対し、夫はどう考えて、感じているのか。
まずは、お互いに、心の中にある希望や不安を地図のように広げて共有すること。
これができれば、すでにこの時に、夫側はどれだけ支援すれば、妻がキャリアを捨てずに済むのか考え出していることでしょう。
妻側も罪悪感を覚えずに夫の支援を受け取る準備ができています。
家事や育児の役割分担はそれから話し合いです。
やってみるとわかりますが、心の部分を共有できればできるほど、家事育児分担はスムーズに決めることができます。
逆にこれをせず、夫をイクメンに仕立て上げようとするとどこかでズレが発生し、夫の育児鬱をひきおこしたり、約束が果たされずに妻側に「どうして私ばかりが・・・」という被害者意識が起きてしまうのです。
マミートラックを解消するには、まずは夫婦の関係性をつくるところから。
システムコーチングは組織だけでなく、関係性のあるところどこにでも効果を発揮します。
プロのコーチを使って、これからの二人の人生の関係性のデザインをすることも、マミートラックを避ける一つの方法かもしれません。
私が企業でコーチングするのは、マネージャー、エグゼクティブのコーチング、あるいは組織開発のシステムコーチングなのですが、
いつか、マミートラック対策としてのシステムコーチングも女性支援の一つとして企業がとりいれてくださったらいいなあと夢見ています。