GNPよりGNH~国民総生産より国民総幸福 | ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog
2003年03月10日(月)

GNPよりGNH~国民総生産より国民総幸福

テーマ:ブータン通信
 開発援助に携わる我々の間では、ブータンに関するちょっと有名な話があります。それは、「ブータンは国家の目標として『GNH(Gross National Happiness~国民総幸福)』を追求する」と内外に宣言していることです。「GNP(Gross National Product~国民総生産)」ではなくて、「GNH」です。要するに、国家の役割は経済一辺倒の発展を達成することではなくて、国民の幸福を最大限に導くことだという素晴らしいコンセプトです。

 このブータンの国家コンセプトは、僕なんかが聞くと非常に共感できて、正に国家の理想の姿のように思えますが、多くのエコノミストにとっては、とてもユニークでどうも訳のわからないものなんだそうです。そういったエコノミストの中には、「そもそも幸福の定義は何なのか」とか、「GNHが国家目標なら、その達成を測る指標はあるのか」といった質問をする人がやたらに多いです。特に、西洋的価値観に基づいた教育を受けてきた人は、こういうことを言うような気がします。今回ブータンに来てからも、僕のチーム内で似たような議論になりました。僕の個人的な意見を言わせていただければ、幸福の定義なんて一人一人違うんですよ。僕が幸せと感じることも、他人は幸せとは感じないかもしれないでしょ。あえて定義を探せば、「幸せとは、欲求と現状のギャップが小さいこと」を言うんでしょうね。欲が無く現状に満足していれば、貧しくとも幸せを感じることはできるでしょうし、逆に、いくらお金持ちで物質的に恵まれていても、欲が深ければ幸福感は少ないかもしれません。従って幸福感は精神的なものに大きく左右されるので、そんなものを測る指標なんてあるわけないのです。

 だからブータンを見習って、GNPなんていう指標で国家の発展度を測るのは、もうやめにしませんか。そもそも、経済的豊かさと幸福感の間に相関関係はあるのでしょうか。GNPが高い日本の国民は、GNPが低いブータンの国民より幸せなのでしょうか。GNPよりGNH。ヒマラヤの小国ブータンが、世界に大きな問いかけをしています。

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