2024 スプリンターズS(予想と買い目) | 競馬解読教室

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 「混戦」と言われる今年のスプリンターズS。競馬ファンが迷っている様子はオッズにも表れている。しかし、冷静に考えてみよう。実は、案外、出走馬の力関係はハッキリしているのではないだろうか?

●2023 スプリンターズS

①ママコチャ

②マッドクール

③ナムラクレア

●2024 高松宮杯

①マッドクール

②ナムラクレア

③ビクターザウィナー

これに去年の香港スプリントを含めると

④ビクターザウィナー

⑧マッドクール

 

 今の短距離界は絶対的エースが不在で、重賞の勝ち馬はコロコロ変わる。しかし、御覧のように、GIレベルの短距離戦に限ると、上位馬の顔ぶれはほとんど変わっていないのだ。実際に今年のスプリンターズSでも、ママコチャは3番人気、マッドクールは2番人気、ナムラクレアは5番人気、ビクターザウィナーは7番人気。夏の上り馬であるサトノレーヴを「新顔」と考えれば、人気と実績はほぼ比例していると考えていい。換言すれば、去年のスプリンターズSの時から、実は、短距離界の構図=力関係はほとんど変わっていないと考えられるのである。今の単勝人気が現在の短距離界の序列。出走馬の力関係は既にハッキリしているし、既に勝負付けが済んいて消せる馬は結構馬は多いのではないだろうか?ならば、今年のスプリンターズSは、素直に、ママコチャ、マッドクール、ナムラクレア、ビクターザウィナー、これに上り馬のサトノレーヴを加えた5頭の中から選ぶべきだろう。

 

 上記5頭の中で、今回、もっとも上積みが見込めるのはどの馬は?そういう観点から、本命を決めたいと思う。そういう観点から言うと、前記5頭の中で、真っ先に狙いを下げたいと思うのはナムラクレアだ。一番気がかりなのは、最近はレースぶりズブさが見える点。道中の行き脚も以前より劣化しているし、キーンランドCを見る限り、不利があったことを考慮しても、爆発力に陰りが見える。そもそも、この馬は若いころから道中で促して追走するよりも、じっくり構えて末脚を伸ばした方がパフォーマンスが上がるタイプだと思う。他の競馬場のスプリント戦に比べると前傾度が高く、前半が忙しくなりやすい中山芝1200mは、相対的に向いていないと思う。直線の急坂もマイナスだ。

 対照的に、今回最も上積みが見込める馬は・・・ママコチャだと思う。まず前走は馬体重+10キロのトライアル仕様でセントライト記念②着。しかもこのときは牝馬にとっては酷量ともいえる57キロを背負っていた。しかも、外枠不利の中京芝1200mの大外18番枠。この枠から先行して、馬群の外々を回らされて・・・本来なら惨敗しても不思議のない競馬で②着をキープしたのは実力以外の何物でもない。非常に良いトライヤルだったと思う。しかし、実はこの馬を評価している点はそれだけではない。この馬を最も評価しているのは、去年のスプリンターズSの内容だ。去年は3枠6番という好枠を引き当てたものの・・・そのレースぶりは、お世辞にも「上手い」競馬だとは言えなかった。川田騎手らしからぬロスの多い競馬っぷりだったのは事実。自分の外(10番)にいたマッドクールに内に入られ、内のナムラクレアには外に張られて、せっかくの内枠だったのに馬群の外々を回る厳しい競馬を強いられてしまった。3~4角の馬群では内から3列目、場面によっては4列目の外を通らさせる絶望的な競馬。先行馬としては最悪の展開であり、直線は失速して当然の競馬っぷりだった。にもかかわらず、ママコチャは4角出口で先頭に立つ早仕掛けに出る超強気な競馬。最後は一杯になったが、それでもインをロスなく回ってきたマッドクールの追撃を抑えて、そのまま粘り込んでしまった。この競馬っぷりは非常に強かったと評価すべきだろう。伸びるインをスルスルと伸びてきた②着マッドクール、ママコチャよりは内にいた③着のナムラクレアよりも一段上の能力がないと、あの競馬はできない。その後は阪神C⑤着、高松宮杯⑧着と崩れたが、いずれも寒い時期でのものであり、ノー・カウント。前走のセントウルでは前述のハンデを乗り越えて②着なら、能力の衰えはないと判断できる。正直に言うと、調教の動きは去年の方が良かったとは思う。中2週のローテーションもベストではないと思う。それでも、この馬はそういう不安材料を補って余りある能力を備えている(=去年のスプリンターズSのパフォーマンスはそれくらい素晴らしく強かった)と思うので、この馬が本命だ。去年の失敗は川田騎手が一番よくわかっているハズ。今回はインをキープして、きっと彼らしく、上手に乗ってくれるハズだ。2024年のスプリンターズSは◎ママコチャの連覇に期待する。

 

 相手筆頭は〇マッドクール。この馬の場合は、調教をみるかぎり、去年よりも強くなってきていると思う。それでも対抗にとどめたのは、この馬はやはり「時計の速い1200m」よりも「時計の遅い1200m」の方が向いていると思うから。ナムラクレア同様、スプリンターズSよりは、高松宮杯向きの馬であることは間違いない。小倉のように3角までの下り坂の「惰性」が使える点は中山も悪くはないのだが、ママコチャに決定的に劣っている点は、この馬は瞬間的な加速力がないと言う点。トップスピードに乗るまでに時間がかかるので、3~4角でスムーズに加速できないと、間に合わない可能性がある。去年は完璧に乗って、下手に乗ったママコチャとハナ差の②着。去年より強くなっているとは言え、ママコチャに100点の騎乗をされたら、敵わないと思う。3番手は逆転込みで▲ビクターザウィナーだ。高松宮杯はコース取りさえ間違えなければ、もしかしたら勝っていたのはこの馬だったかも知れない。だからこそシャム調教師は今回は日本の馬場を知り尽くしたモレイラ騎手を連れて日本に戻ってきたのである。ピューロマジックが逃げない以上、今回は楽にハナをきれることは間違いない。高速決着に対応できれば、インの経済コースを通って、そのまま逃げ粘る可能性がある。初めての左回りだった高松宮杯であれだけ走れるのだから、右回りに替われば、マッドクール、ナムラクレア級の評価が必要だし、展開の利があればか勝つチャンスまであると考えている。ママコチャに勝つとしたら、マッドクールよりは、ビクターザウィナーだと思う。以下は押さえの評価になるが、先ずは△ナムラクレア。腐っても鯛であり、横山武騎手とは手があいそう。この枠なら無印にはできない。人気の盲点となっている△ウインマーベル。3歳時にこのレースで実際に②着した実績があり、その後ハイレベルの1400mのG2を2勝(G3を1勝)している点は見逃せない。最後の最後の押さえに△サトノレーヴ。サトノレーヴの場合、脚質を考えると、12番枠は痛い。1.07.1の好時計を記録した春雷Sは、7枠13番から馬群の外々を回っての辛勝だった。あの競馬ではママコチャには通用しない。夏の連戦によって上積みもやや疑問。レーン騎手を呼びよせた「本気度」は大きな買いの材料だと思うのだが・・・。ちなみに、一週前追切は本当に凄かったが、ダービー時のダノンを思い出した。堀厩舎は、たまに、GIの前に調教を「やりすぎてしまう」悪いクセがあるのだが、今週の坂路での追切をみたときに、今回も・・・という不安を感じてしまったので、最後の押さえまで。

(結果)

◎ママコチャ

〇マッドクール

▲ビクターザウィナー

△ナムラクレア (③着 4人気)

△ウインマーベル

△サトノレーヴ

 

 

  

 

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