前回に引き続き、お金の話をさせていただきます。
2024年から新しいNISA制度が始まったこともあり、運用コスト引き下げ競争が勃発し、これまで以上に信託報酬率が安い投資信託(ファンド)が登場したり、既存の投資信託が信託報酬率を引き下げたりする動きが起きています。投資信託(ファンド)を選ぶ際、いかに手数料や税金を安く抑えるかが重要なポイントになりますので、投資家にとってはありがたい話ではあります。ただし、気をつけなければならないのは、隠れコストも含めた実質コストの把握です。実質コストをしっかりと把握することは、競走馬ファンドでも重要なことですね。
さて、一般的に、投資信託における主なコストは
”販売手数料(購入時手数料)” ”信託報酬(運用管理費用)” ”信託財産留保額”
の3つです。これら3つのコストは事前に決まっており、重要事項を説明する「目論見書」に記載されています。
一方、監査法人に支払われるファンドの監査費用や有価証券等の売買時に取引した証券会社等に支払われる手数料、有価証券等を海外で保管する場合、海外の保管機関に支払われる費用など
実際に運用をしないと確定しないコストがあり、こうしたものを隠れコストと言います(隠しているのではありません)。この隠れコストも含めることで、実際に発生したコストである実質コストが明確になります。
では次に、競走馬ファンドにおけるコストをあらためて見ていきたいと思います。競走馬ファンドの主なコストは
”入会費” ”競走馬出資金” ”会費(月会費)” ”維持出資金(維持費)” ”保険出資金”
などであり、こちらもクラブの規約やガイドなどに記載されています。
一方実際に運用をしないと確定しない”隠れコスト”は、というと、
”進上金” ”源泉徴収所得税(JRA源泉税)” ”消費税” ”クラブ法人手数料”
などですね。なんだかんだで実質コストはたくさんかかっています
競走馬ファンドに投資をする時、どうしても競走馬出資金以外のコストへ注意や関心が向かないという方も多いのではないかと思います。けれど、運用すればするほど、運用中に継続的にかかってくるコストの影響は大きくなります(もちろん出走できなければ配当金の支払いを気にする必要はありませんが・・・)。競走馬が好きだけれど、気がついたら肝心の競走馬以外へのコストが高くついている・・・なんてことになっていないかどうか、時々確認してみることも必要ですね
最後に、”競走馬出資金が0円でご出資いただけます”と言ったキャンペーンを目や耳にすることがあります。隠れコストはどうでしょうか?昔から”ただより高いものはない”とも言います。ファンドへの投資は慎重に!