“書道が好きなのですね”
と言われますが、
「?」 です。笑
書道が “好き” かと言うと、
生まれてこの方、 “好き” と思ったことは一度もない。
散歩をしたり、読書をしたり、映画を見たり、美術館へ行ったり、
旅行をしたり、 その方がずっと “好き” です。
同じような、“楽しい~” という感覚には、書道ではなりません。
とにかく目の前の “作品をつくる” という課題を
自分なりに 潰してきただけです。
“好き” もへったくれも ない。
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“好き” という感覚を持っているものには、
「自由」さと、「上限」がある。
“好きだから” やっているという感覚。
好きだから 好きな時にやり 好きな時やめられる感覚。
裏を返せば それは “趣味” ということ。
作品づくりは、 とにかく時間と精神の限界までやること。
自由さも上限も ありません。
書に、 “好きだから” とか “~のために”
という 理屈は存在しないですね。
6歳から書に関わり、 自分では不確かではあるものの
確実な技術を習い、 書に “本気” を思ったのは 19歳。
自分に与えられたものであり、 それに従い それを扱う。
純粋に演じる。
何の目的もないようですが、 それ自体が形のない目的で、
“好き” でないからこそ 永遠に満足せず。
飽くなき探求のみが あると思うのです。