超円安が続いていますので極力外貨建ての買い物は控えているのですが、どうしても海外で物を買うときは以前紹介したwiseを活用しています。海外送金においては手数料が安く上がるのでおすすめです(よかったら以前の記事をご参照ください→こちら)。
さてそういった超円安下でも海外旅行や海外生活を余儀なくされる方も私の周囲に多く(一部は「余儀なくされた」なんて受身的ではなく、自主的に渡航されていますが)、最近「現地通貨を安価に取得する方法を教えてほしい」と某国在住者からアドバイスを依頼されましたので、そういったニーズがもしかしたらあるのかと思い立ち、今回は私が約2年間のフランス生活で得た最もリーズナブルな現地通貨取得方法の1つをご紹介させていただきます。
なお、この方法に行きつくまで様々な試行錯誤がありましたので、もしこの情報が役に立った方は「いいね!」ボタンでフィードバックをいただけると本当にうれしいです(切実)。
前提として、日本円を基軸通貨としている方向けです。
まず必要なものは以下の通りです。
1.海外キャッシング可能である日本で発行したクレジットカード
→入会時デフォルトでキャッシング枠を設定されているケースが多いですが、用心深い方だと、キャッシング枠をゼロにしているので、キャッシング枠の有無、ご確認をおすすめします
2.「1.」のクレジットカード会社(クレジットカード裏面に記載されたコールセンター)に安価に通話できるツール
→私が以前紹介したfreeを使うと、日本の固定電話への通話は無料でした(記事はこちら)。私のクレジットカードはJacssでしたので、コールセンターは大阪にあり、freeを使って毎回通話料無料で電話していました
3.日本の銀行口座に安価にオンラインで送金できるツール
→要するに日本の銀行のオンラインバンキングとラップトップなりスマートフォンが活用できれば大丈夫です
4.電卓
→スマートフォンのもので十分
方法は以下の通りです。まず、いわゆる「キャッシング」を海外のATMで行います。これについてはクレジットカードのホームページでも説明されていますが、一応下記します。特にセゾンカードのホームページはデモ体験出来てわかりやすいです。
具体的な作業手順を紹介する前に、日本発行クレジットカードを使った海外キャッシングにおける金利の概要を紹介します。
- 外国現地のATMから現地通貨を引き出す
- 請求時(=引き落とし時)まで海外キャッシング利息が発生する(たいてい年利18%が相場。45日後に請求されたとしてだいたい2.22%(=18%x45日/365日))、一部クレジットカードだとATM使用料が発生する
- 所定の期日に元金+利息が引き落としされる
例えば1,000ユーロ(1ユーロ=150円とします)を調達したら、3,330円(=1,000x150x2.22%)の利息が発生します。え?あまり安くない?と思われた方、この利息を圧縮する方法を伝授します。
以下が具体的な作業手順です。
海外の街中にあるATMに、上記「1.」に記載したクレジットカードを挿入する → すると言語を問われるのでEnglish(フランスだとAnglaisと表記されていることもありました。すでにフランス語が分からないと使えない仕様www)を選択 → クレジットカードの暗証番号を入力 → 引き出しを選択 → クレジットカードを選択 → 調達金額を入力 → 日本円建てで引き出すか海外通貨建てで引き出すか聞かれて、選択する → 確認ボタンを押す こんな感じです。
ここでの注意点は以下の通りです。
- ATM選び重要です。ATMは道にもありますが、当然、安全な建物の中の方が安全です。私はESSECの中にあるATMや人通りの多い鉄道駅で、妻や同級生に監視を依頼して使っていました
- 悪質なATMは「日本円建てで引き出すか海外通貨建てで引き出すか」選択を迫ってきます。ここは海外通貨建ての引き出しを選択します。日本円建てでの引き出し、というのは手数料を乗せた海外通貨レートで引き出す、という意味ですので、為替手数料+キャンシング利息のダブルパンチを請求されます
- クレジットカードによっては海外キャッシングができません。アメックスの場合、少なくとも私がフランスにいた2019年は海外キャッシングNGでした
- クレジットカードによっては海外キャッシング利息のほかに、ATM使用料を請求されます。例えばセゾンカードは現在220円/件、請求されるそうです。Jacssは2019年当時海外キャッシング手数料無料でしたので、Jacssを使っていました
- (理由は後述しますが)月曜や火曜など、週の頭に引き出した方が良いです
さて手順の続きを記載します。ここからはクレジットカード会社のホームページでは私が発見することのできなかった情報です。もしかしたらクレジットカード会社は、貴重な海外キャッシング利息を圧縮できる方法を知られたくないのかもしれません。
キャンシング後、経験上1営業日後にはJacssにキャンシング情報が飛んでいます。これはクレジットカード会社に電話することでわかります。そして担当オペレーターに「本日中に早期返済するので、利息の計算と、送金先口座を教えてほしい」と伝えます。すると、担当オペレーターは、キャンシング時の為替レートと、金利を教えてくれます。ここで可能であれば電卓を使って自分でも確認した方がいいです。
例えば、キャンシング2日後に、その日中に返済することを申し出たとします。キャンシング金額は1,000ユーロ、為替レートは1ユーロ=150円、金利は年利18%とします。この条件でしたら利息は147円(1,000x150x18%x2日/365日)です。
ポイントは
- 1日後くらいにはキャッシング情報が飛んでいる
- 振込で早期返済できる
この2点です。
セゾンカードのホームページには「例えば帰国後セゾンのATMで返済した場合・・・」と記載されていますが、海外にいるときに返済することもできるし、セゾンのATMで返済する必要もありません。
さて手順に戻ります。
さて電話を切ったら、即座に日本のオンラインバンキングを開いて、所定の口座に元金+利息を送金します。私が使っていた住信SBIネット銀行ですと所定回数は日本国内送金手数料無料だったので、本当にこの利息だけ支払って外貨を調達していました。
前述ポイントのところで「月曜など週の頭に実行した方が良い」と記載したのは、週末を跨ぐと金利がかさむためです。昨今日本国内では土日も銀行振込できるようになりましたが、土日にクレジットカード会社側が受け取らない、となると、+3営業日なので、このロスは大きいです。
また街中には「Commission Free」をうたった両替屋がありましたが(具体的にはオベール駅出てすぐのGalerie Lafayette裏手にある両替屋がまさにそれでした)、よく見てください。SellとBuyの金額で大きな開きがあります。例えば1ユーロ=150円だったとき、そのような両替屋は145円・155円と書いてあります。これは日本円を持って行って1ユーロほしかったら、155円支払え、という話です。しかも日本の小銭は受け付けられないからとか何とか言って、上目にRoundUpするところもあるそうです。ちなみにこのレートにCommissionを乗せる両替屋もいるということです。上記のクレジットカードスキームならば支払うべくは150円のレートとごくわずかの利息です。下手したら1ユーロの調達に8円くらい差が出てきます。だいたい私たち夫婦が約2年間のフランス生活で7万ユーロくらい使いましたから56万円の差が出ます。
そういったほろ苦い経験も海外旅行や海外生活の一部だ、などとおっしゃる方は、それも一つの価値観ですから尊重します。また両替屋を使えば、事前・事後準備も不要で容易に外貨現金を入手できます。しかし私たちにはそんな余裕がなかったですし、少しでも切り詰めてヨーロッパ旅行やBarの飲み歩きをしたかったので、手間がかかっても、上記のような手間をかけて、できるだけ手数料をセーブしていました。
もし外貨両替のコストを少しでもセーブしたい、という方、参考になることを祈ります。そしてもし情報に古い部分がございましたら、責任は取れませんので、スキームの活用はあくまでも自己責任でお願い申し上げます。また他にもきっと手数料を抑えて現地通貨を調達する方法があるかと思いますので、その点ご容赦ください。