実家に帰って来て
初めて迎えた週末は
珍しく3人が顔を揃えた。
「あ、ユチョン――」
居たんだ?――
平日、
朝が早いユチョンとは
同じ家に住んでいるのに、
あまり会わない。
夜も、
私の仕事が
忙しくなって
早く帰れないから、
私が帰る頃には
ユチョンは
もう自分の部屋に
入ってしまっている。
だから、久しぶりに会った。
「僕も居るんだけど。」
「え?・・・
そう言う意味じゃなくて、
久しぶりに会ったから。」
それから、
ひょんなことから、
私たちはゲームを始めて――

子どもに戻ったみたいに、
ゲームの
勝ち負けで
盛り上がって
はしゃいだ。
「ちょっとごめん。」
喉が渇いて
立ち上がった私に
すかさず――
「逃げるの?」
弟は言う。
私が負けてばかりだからって・・・
「違うよ!
喉が乾いたから――」
お水でも
取りに行こうと思ったの。
「僕のも――」
「っ!!」
人使いが荒い・・・
キッと
睨んで
冷蔵庫から
お水を持って来た。
「そこ、
置いて――」
ゲームに
夢中のチャンミン。
ムッとしながら、
ドスっと
机の上に水を置く。
奥に座る
ユチョンにも
水を渡したいのに、
チャンミンが
手前に座って居るから
届かない。
もちろん、
チャンミンも
ユチョンも
夢中だから
手を伸ばして
取ってくれるでもない。
仕方ないから――
「前、通るよ?」
チャンミンの前を
横切った。
「邪魔、見えないっ」
狭いスペースで
焦らされて、
チャンミンの膝に
ぶつかった。
そのまま
躓いて、
ソファーの方へ
倒れ込む。
本来なら
顔から
ソファーに
ダイブしていたところだったけど、
ユチョンが居たから・・・
「おぅっっ・・・」
その胸に
飛び込んだ形で
納まった。
勢いよく
倒れ込んだから
ユチョンの胸には
すごい衝撃・・・
「ごめんっ
大丈夫!?」
「うん。
〇〇も――」
大丈夫?――
そんな風に
ハニカンだ顔されると、
私まで
照れるんだけど・・・
不慮の事故に
何故か
照れ笑いを
浮かべる私たちの
目を覚ますように――
「いつまで
そうしてるの?」
っ!!・・
チャンミンに
言われて気付いたように
私たちは
体を離した。
すぐに
離れなかった
理由は
私にもわからない。
ただ・・・何となく・・・
「ユチョンさん、
ついでだから
言っておきますが、
家での恋愛は
禁止ですからね。」
姉さんも
わかってるだろ?――
いつの間にか
ゲームは
中断されていて、
つまらない忠告をする。
「また
そんなこと言って・・・
だからないって・・・」
ねぇ?――
ユチョンに
同意を求めたら、
「あぁ――」
笑って答えた。
私が
チャンミンにした
反応と同じなのに、
胸の奥が
チクッてした。
それを
隠すように――
「ほら、
そんな心配要らないから。
変なこと
言ってる暇あるなら、
大事な彼女のところでも
言って来たら??」
休みなのにデートしないの?――
茶化して言った。
「もうこんな時間か。
じゃあ僕は・・・」
本当に
デートだったんだ・・・
「では
二人とも――
僕の言ったこと
忘れないでくださいよ。」
「だからっ・・・」
余計なひと言を
残して
出掛けて行った。
そんなことを言うから
二人になった途端、
気まずい思いをして、
ユチョンから離れた。
そして
わざわざ
離れたところから
話しかける。
「こんな時間から
デートって、
チャンミンの彼女って
何してる人?」
会ったこと、ある?――
「いや。
知らない。」
そっか・・・
「あ、ユチョン
ご飯どうする?
一緒に食べない?」
ウチでも外でもいいよ――
「あ・・ごめん。
俺も出掛ける用があって・・・」
え?・・・そうなんだ・・・
どうして
こんなに落ち込むんだろう。
夕飯を
一人で
食べることが
淋しいからじゃないのは
わかってる。
「なんだ・・・
ユチョンもデート?」
”独り”は私だけか・・・――
「ハハハハハ・・」
冗談ぽく聞いた
答えは
どちらとも取れる
笑顔だけ。
ユチョン・・・彼女いるの?
考えたこともなかった―――











