ユチョンが
妬いてくれたら
満足したのか――
祝福されたことに
気分が塞いだ。
ユチョンが
そんな私に
気付いていないことだけが
救いだった。
新しい彼氏がいるのに
ユチョンのことを
忘れられないでいる
私を知ったら
きっと
その笑顔は消えてしまう。
ユチョンと
笑い合えることは
なくなってしまう気がしたから。
「俺はここで―――
じゃあな。」
「うん。
気をつけて――」
ユチョンは
帰り
私はオフィスに
戻る。
来週のいつ
来るのか
また会えるのか――
約束は
しなかった。
それが
今の私たちの関係では
当然だ。
名残惜しくても
後ろは
振り向かなかった。
もっと
切なくなる
気がしたから。
だから私は
知らなかった―――
去って行く
私の後ろ姿が
消えるまで
ユチョンが
そこを動かなかったこと・・・
その時
振り向いていたら
ユチョンは
私に
何と言っただろう?・・
会社の入り口で
戻って来た
ユノさんに
ばったり会った。
「誘っておいて
本当に
申し訳ない――」
「いえ・・
大丈夫でしたか?」
「あぁ、何とか
おさまりました。
割とゆっくり
してきたんだね?」
初対面で
気まずいかと
心配してましたよ―――
「あ~
電話でやりとり
してるから・・・」
初めてって
感じはしなくて―――
「そっか。
よかった――」
ユノさんは
笑って
先を歩いて行く。
というより
やっぱり
歩くのが早い・・・
そして
また一人になった
私に
声を
掛けた人―――
「〇〇――」
?・・・
振りかえると―――
ジュンスっ!!
「何だよ?
驚き過ぎだよ―――
こっちまで
びっくりするだろ?」
「あ・・ハハ・・
ごめん。」
そんなの珍しいから―――
ジュンスが
会社で
不用意に
”〇〇”と呼びかけることは
なかったのに・・
「もうお昼
終わったの?
さっき遅いお昼って
言ってたばかりなのに・・」
「あぁ。一人だからね――」
「そっか・・」
「〇〇は?
あの人と二人で?」
今の人
〇〇のところの
営業だよな?―――
ドキンと
心臓が強く打った。
出来れば
聞かないで欲しかった。
ジュンスに
嘘はつきたくない。
だけど・・・
私の中の
疾しい気持ちが
回答に間を作る――
考えれば
考えるほど
不自然な間が
私を追い詰めていく・・・
どう・・しよう・・・





