東方神起~妄想ラブストーリー~


僕は楽になった。


まだ話していない

秘密はあるけど

すべて抱え込んで

いた頃より

ずっとマシだ。


あらためて

メンバーの・・

ヒョンたちの

大切さを感じた。



〇〇のことも

みんなで

フォローした。


僕の後ろばかりに

隠れていた彼女だけど

今はそうでもない。


慣れてきたことも

あるかもしれない。


ヒョンたちと

じゃれ合ったりしている。



東方神起~妄想ラブストーリー~


「そういえば

マネージャーが

〇〇は

東方神起のファンだって

言ってたけど

誰のファンだったの?」


他人がいないところでは

彼女のことを

彼女の名前で呼ぶ。


やっぱり

僕たちにとって

”ジェジュヒョン”は

”ジェジュヒョン”で

彼女は彼女だから・・



「え・・それは・・・」


言葉を濁す

彼女―――



東方神起~妄想ラブストーリー~


何で黙るんだ?・・


誰のファン?・・


別に

気にしたことは

なかったけど

黙られると

僕まで気になる

気がする。


単純に考えれば・・・・


ジェジュヒョンに

似ているから

ジェジュヒョンのファン?


「ジェジュンのファン?」


その問いかけにも

答えを渋って―――



「え・・あぁ・・」



曖昧な答えをした

彼女が僕を見た。

東方神起~妄想ラブストーリー~



え?・・・・


何故こっちを見る?


・・え?・・・



(言ってもいいかな?)

そう言っている

気がした。



それって・・・・

東方神起~妄想ラブストーリー~



まさか

僕のファン?・・


照れて言えない・・って?



へ~・・



「誰?だれ?

男のファンって

何か嬉しいじゃん。

誰のファンだったんだよ?」



男のファン―――



ハハハ・・

〇〇は女だよ。



東方神起~妄想ラブストーリー~



恥ずかしがってるから

そんなにしつこく

聞いたら

可哀想だろ・・・


あーあ

本当に

ジュンスは

デリカシーがない。



ちょっと

気分が

良くなっていた

僕の耳に

入って来た

〇〇の声―――



「・・ユノのファン・・」



ん?・・は?・・・


東方神起~妄想ラブストーリー~


な・・・・


・・ユノのファン?・・


今・・・



彼女を見たら

照れて笑ってる。



!!・・



何て

紛らわしい奴なんだ!



勝手に

早とちりしてたのは

僕なのに

その照れた笑顔に

無性に腹が立つ。



その会話を

近くで聞いていた

ユノヒョンが―――



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「わぁ~

俺のファン?

嬉しい。

同性のファンって

嬉しいよ――」


同性じゃない

〇〇に

男同士の

ハグを求めた。


逃げ腰の○○・・・


だけど

顔を真っ赤にして

照れて

嬉しそうに見える。


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そんなんじゃ

バレルだろ!?


まだ

女ってことは

内緒なのに・・・


「〇〇。

ちょっと――」



僕は

ユノヒョンの胸に

埋もれる

彼女を呼んだんだ。



男同士のハグ――



たった数秒の

スキンシップなのに

僕は何をそんなに

焦っていたのか・・・



東方神起~妄想ラブストーリー~


「バレたいのか?

女って・・」


「そんなんじゃ・・」


「じゃあ

何だよ?あれは――」


ユノヒョンに

抱き締められて

嬉しそうな顔して・・・・


「・・ファンだもん・・

あんなことされたら・・・」


そう言って

思い出したように

また頬を赤らめ

笑みをこぼす。


「”守りたい”

”助けたい”って

ユノヒョンに

近づきたかった

だけなんじゃないのか?」


「チャンミン!」



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「下心だけで

こんなことまで

するなんて・・・・」


「・・そんなんじゃ

ないよ!」


「どうかな・・・」


「・・・」


彼女は

泣きそうな顔に

なっていた。


言いながら

気づいてた。


急に熱くなって

僕はどうかしてた。


こんなに

責めることじゃないのに・・・



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わかってる・・


下心だけで

こんな大変なこと

出来るわけないって――


生活すべてが

変わるんだ。


それでも

彼女は

やっている。


僕の言葉に

俯いてしまった彼女・・・

”ごめん”―――


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言いたいのに

出て来ない。


今のは

僕が悪いって

認めるけど・・・


だけど

謝るのは

素直に出来なくて―――


その代わりに・・・・



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「ユノヒョンには

男にしか

見られてないんだから

恋心なんて

抱いても無駄だよ。」


「わかってるよ・・

そんなんじゃなくて・・」


きっと

わかってないよ。


現実は―――


「わかってないよ。

今だって

ユノヒョンの

スキンシップに

赤くなってる。」


「・・・」


「ヒョンは

女なんて

思ってないよ。

女だったら

あんなことしない。」




あんな剣幕で

詰った後だから―――



「チャンミン

違うって言ってるのに!

ひどいっ!」



〇〇は

僕の忠告に

気を悪くした。



素直な気持ちで

言ったのに・・・・