また
帰ってきてないのか・・・
彼女は
毎日のように
練習室に遅くまで
籠って
練習しているみたいだ。
僕は
わからなくなっていた。
彼女が言うように
これが
僕の大切なものを
守るための
唯一の手段なのか?・・
考えても
他の方法は
浮かばない。
本物のヒョンを
探し出すしかないけど
それも
全力でやっていると
マネージャーは言うんだ。
僕は
こっそり
宿舎を抜け出して
練習室に―――
彼女は
変わらず
ヘトヘトに
なりながらも
練習を続けていた。
無理だと言ったのに
何故
そんなに頑張るんだよ。
”守りたい”から?
・・その気持ちだけなら
僕の方が
ずっと上だ。
僕のメンバー
僕の居場所
僕にとって
かけがえのないもの・・・
それが
こんな方法で
守れると言うの?
見ていると
彼女は
いつも同じ場所で
間違える。
間違いには
気付いているのに
何度
やり直しても
変なくせが
ついていて
直らないみたいだ。
出来ない
自分に
悔しそうな
表情を浮かべる。
僕はなぜ
ここに
来てしまったんだろう・・・・
一生懸命な
彼女が
いじらしく思えて来て―――
「違うっ!
そうじゃなくて
こう・・・
いつも
同じところ
間違えてる。」
僕は
練習室の中へと
入っていった。
「!!・・」
彼女は
驚いて止まった。
「困るんだよ
そんなんじゃ・・」
「・・・・」
そう・・困るんだ・・
もう
インタビューの
仕事も受けたし
他の仕事もしてる・・
今さら
引けない・・んだよな・・
乗りかかった船――
僕には
どうすることも
出来ない。
ただ・・
「もう一回
やってみて。
教えるから・・」
「え・・・?」
「仕方ないだろ?」
もう始まっていること・・・
「今さら
後には引けない。
だったら
この方法で
やり通すしかない。」
「!?・・」
「協力・・するよ・・・」
僕は
この無謀な計画に
協力することにした。




