少し

落ち着こう・・・


深夜に起きた

出来事に

夢でも見ているのかと

疑ってみるけど

そうじゃない。


現実に

起きている。


東方神起~妄想ラブストーリー~


ソファーの

端に腰かけた僕―――


その横に

ジェジュヒョンじゃない

ジェジュヒョン・・・



彼は・・いや・・

彼女は何者なんだ・・・・



「ヒョンは・・

ジェジュヒョンは

どこに?」


追い詰められた

彼女は

話し始めた。


「・・行方不明って・・」


「は?・・」


「休み中

誰かと

出掛けて

音信不通に

なってるって

マネージャーさんが・・」




「それで

代わりにキミが?」



「歩いてたら

声かけられて・・」


東方神起~妄想ラブストーリー~


「何だよそれ・・」


全然

意味がわからない。



ジェジュヒョンが

音信不通で

赤の他人を

身代わりにするなんて・・


仕事に支障が

出るからと

連絡のとれない

ジェジュヒョンの

代理を用意した―――


百歩譲って・・


もっともっと譲って

そこまでは

理解したとしよう・・・


だけど

メンバーにも

知らせず、

しかも
それが

女性なんて・・・・


騙せると

思ってるのか?


どうなってるんだよ・・・


「わかった・・

もういいですよ・・」


「え・・・」


「頼まれただけですよね?

マネージャーに。

代わりは

しなくて

大丈夫です。

僕から話して

おきますから・・・」


今日は遅いから

明日の朝にでも

出て行ってください――



「でも・・

約束したから・・」


「約束?」


「”ジェジュン”が

戻って来るまで

代わりをするって・・」



東方神起~妄想ラブストーリー~


「それは

キミを

男だと思っての

話しでしょ?

女性だと

わかったら

マネージャーも

頼まなかったよ。」



リビングを

出ようとした

僕をまた

引き留める。


「待って・・」


「・・・」


「言わないで・・」


「?・・」



「明日から

仕事なのに

ジェジュンが

いなかったら

困る・・でしょ?

マネージャーさんが

そう言ってたから・・」


それと

これとは別――


「困るけど

偽物なんて

あり得ない。」


他の方法を

考えるべきだ。



東方神起~妄想ラブストーリー~


「きっと

マネージャーも

気が動転してたんだろ。

よく考えれば

わかることだから・・」


ジェジュヒョンが

突然行方不明ってことに

気が動転してたんだ。


僕だって

驚いてる・・・


どこに行ったのか―――


ただ、今は

それより

偽物の彼女のことの方の

驚きが

大きすぎて

そのことへの

驚きが

薄れてしまった。


とりあえず

ジェジュヒョンのことは

明日

みんなで考えよう。


僕だけでは

結論はでないし

マネージャーの

話しも聞かなければ・・



「忘れてください。

あとは

僕たちで

何とかします。」


これで

彼女のことは

解決したと思った。


なのに―――


「それじゃあ

マネージャーさんが

困ると思います・・」


東方神起~妄想ラブストーリー~



「え?」


彼女の話によると

ジェジュヒョン失踪は

マネージャーに

関係があるらしい。


そのことを

隠すために

僕たちにも内緒で

ジェジュヒョンを

探し

見つからなくて

偽物まで連れて来た。


偶然

道で見かけた

ジェジュヒョンそっくりな

彼女に

どうしてもと

泣きついて

頼んだみたいだ・・


「どうして

女って

言わなかったんですか?」


「それは・・

あんな風にされたら

言い出せなくて・・」


心底困った様子の

マネージャーに

女だと言えなかったと

彼女は言った。



マネージャーと

ヒョンの間に

何が起こったのかは

わからない。


だけど

これはやっぱりおかしい。


「・・詳しい事情は

明日マネージャーから

聞きます。

どっちにしても

僕たちの問題ですから――」


納得したのか

彼女は黙った。


明日

出て行ってくれるだろう・・・