「”お帰り~”・・じゃないよ!
なんでまだいるの!?」
「ウキャン・・
鍵は閉めて
出掛けたよ?」
「いや・・そうゆうことじゃ
なくて!
どうしてまた
ここに戻って来たのって・・・」
「アハハハハ・・・」
一方的に
責め過ぎたせいか
ジュンスが
哀しい顔して
気まずく笑った。
「あ・・えっと・・
忘れ物か何かだった?
・・ごめん・・
びっくりして・・・」
「・・うん・・・」
ジュンスは
静かに言って
ダイニングの椅子に
座った。
畏まった様子で
何か話したそうな
雰囲気だったから
私もジュンスの前に
座ってみる。
「〇〇ちゃん・・・」
「・・はい・・・」
「実は・・ね・・・・」
え・・・
何か怖い・・・・・
”実は”って
まさか
”実は昨日・・本当は・・”とか
言わないよね!?
私たち・・何かあったとか
言わないよね!?!?
あっても
今さら言う意味ある?・・
「あぁ・・ちょっと待って・・
それって・・
今言わなきゃダメ?
聞きたく・・ないんだけど・・」
聞かない方がいいと
思った。
たとえ
何かあったとしても
覚えてないんだもん・・
「うん・・あの・・・」
「あぁぁ・・
聞きたくないな・・
だって覚えてないんだもん。
思い出す必要って
あるのかな?
お互い忘れて・・・」
「〇〇ちゃん!?
何の話し?・・
覚えてないんだもんって
・・あぁ!昨日のこと??」
「え?・・違うの?・・」
じゃあ・・何?―――
「ウハハハ
僕のこと
疑ってるの?
何もしてないって
言ったのに・・
違うよ。
あの・・僕・・
ここに住んじゃだめ?」
「あー違うんだ・・
あんまり改まるから
びっくりして・・
で・・・え?・・」
何て言った?・・
ここに・・住む?・・・
「ウッハハ
ちがうよ~・・
僕・・何でもするから・・
ここに住んでもいい?」
「・・ここに住むって・・
良くないよ!
何を言って・・・・」
「帰れないんだ・・・」
またそれ?
「僕・・今は
帰れないんだ・・・・」
深刻な顔―――
そして
ジュンスは
話し出した。
夢のこと
家族が反対していること
バイトと練習の掛け持ち・・
その後
頼りにした”人”のこと・・・
「そう・・なんだ・・
大変だったね・・・」
同情する気持ちは
湧いてくるけど
それとこれとは
別だと思う。
知らない人と
一緒に住むなんて
出来ない。
「ジュンス・・・」
断わろうと思った。
でも先に
それに気づいた
ジュンスが―――
「・・やっぱり
無理だよね。
ごめん・・
困らせちゃって・・
帰るよ・・・」
笑っているのに
目が哀しい。
「帰るって・・
どこに?
帰れないんでしょ?」
「ハハ・・
カラオケで
オールするか
漫喫でも泊まるよ・・」
出て行こうとする
ジュンス―――
一日のことじゃ
ないでしょ?
これから
ずっと
そんな生活するの??
「・・ジュンスっ!・・」
呼び止めちゃった・・・・
「ソファーで
寝るので良ければ・・
部屋とかないけど・・
ここに・・住む?」
「え!?いいの!?・・」
反応が
早かった。
もしかして
私がそう言うこと
わかってた?・・
「・・う・・うん・・」
でも言ってしまった
手前
撤回も出来なくて
そうなった。
「”何でもする”って
何が出来るの?」
「掃除とか洗濯とか
ご飯とか・・・買い物・・
雑用でも何でもするよ!
歌も歌う!!
あ・・・でも・・・・」
言葉を濁した。
「なに?・・・」
「心は・・売れないから・・」
「へ?・・」
「そうゆうことは・・・
本当に好きな人としか
僕はそうゆうこと・・
しないから・・・」
え!?・・・
それって
襲うなってこと!?・・・
あのさ・・・・
「うん・・・私も・・」
「ホント?」
「うん・・
そうゆうこと
求めてないから
安心して・・・・」
”良かった”と
笑うジュンス――
何か逆じゃないかな?・・
でも
私もそうゆう
心配は
しなくてもいいって
ことだから・・
それにあの歌声・・
また聴けそう?・・
まあ・・いっか・・・
そんなこんなで
ジュンスとの
共同生活が
始まった――――







