ジェジュンは
優しいから
私のわがままを
聞いてくれた。
理由も聞かずに
ジェジュンの部屋に
連れて来てくれた。
「はい――
飲めば?」
冷蔵庫から
缶ビールを
一本・・・
「ジェジュンは?」
「俺はまだ
仕事あるから。」
それなのに
連れて来て
くれたの?
申し訳ないことを
しちゃったと思ったら・・
「アハ
いいよ、俺も
〇〇と居たかったから。
家で出来る仕事だし・・
はい、飲んで――」
缶ビールの
蓋をあけながら
”好きなだけ
居ていいよ”って
言ってくれた。
こんなに
優しいから
甘えてしまう・・・
ジェジュンは
仕事をして
私はビールを
飲んでる。
何か不思議だね?
ジェジュンと
結婚していたら・・・
そんな想像
したくなる。
だけど
時間が過ぎるに
つれて
さりげなく
時計を気にしている私は
やっぱり
ジェジュンじゃない人の
妻なんだ・・
私って
イケない女・・・
浮気されて
逃げ込む先は
昔の彼のところ。
しかも
気持ちまで彼に・・
「また
変なこと
考えてただろ?」
冷蔵庫に
飲み物を取りに行った
ジェジュンが
考え込んでいた
私に話しかけた。
「変なことなんて
考えてないよ・・
ただ・・」
「ただ?・・」
「私って
ダメだなぁ・・って・・」
”どうして
そんなこと言うの?”って
淋しい顔して
座っている私を
後ろから抱きしめる。
「ダメじゃないよ・・
ダメじゃない・・・」
ジェジュンが
そうやって
優しいから
ほら・・
私はまた
もっとダメな女になる・・・
ジェジュンと
唇を重ねた。
その後
流れのままに
体も重ねた―――
またジェジュンと
一つになった・・・
涙がこぼれた。
「帰りたくなかったら
このまま
ここに居たら?
俺は嬉しいよ――」
そう出来たら
良かったよね・・・
でも
ごめん・・・
私は
帰らなきゃいけない・・
そうしないと
イケないんだ・・
ジェジュンは
送ってくれると
言ったけど
愛された体を
冷ます時間が
欲しかった。
だから
電車で帰りたいからって
言って
ジェジュンの部屋を
後にした。
「もう遅いから
気をつけてね?
やっぱり
駅まで送ろうか?」
最後まで
子供みたいに
心配してくれた人――
終電少し前の
電車は混んでいて
人の多さが
一気に現実に
引き戻してくれた。
やっと人混みから
解放されて
最寄駅の階段を
ふらふら登る。
・・
まさかね・・・
だって・・
どうして・・・・
階段を登る途中で
見つけたシルエット――
ユチョン―――
鮮明になれば
なるほど
疑える・・・
どうして
ユチョンが
ここに
居るの?
心配そうな顔で
階段を登る
私を見つめているの?・・・
ここにも居たの?
私を心配してくれる人――
まだ私のこと
心配出来るの?・・






