翌朝も
出掛けるまで
恋人同士のように
過ごした。
甘いキスを
交わして
ジェジュンは出勤、
私は着替えるために
一度家に戻ってから
お店に行った。
ジェジュンは
お店に戻って来る
夕方を待たずに
昼休みの私の携帯を
鳴らした。
「〇〇?
今、昼?」
「うん。」
「俺も一人でランチ。
〇〇の声が
聞きたくなって・・・」
昨日のことが
夢じゃないかって・・・
「ジェジュン・・」
夢じゃないよ・・
私たちは
確かに昨日
一線を越えた。
「変に意識したら
スタッフのみんなに
バレちゃうんだからね?」
ただの
スタッフとオーナーの
恋愛じゃない。
人に知られては
イケない関係だから・・・
「あっは♪
わかってるよ。
大丈夫。」
「本当に?」
「本当だよ~。
じゃ、夕方店に
戻るから
待っててね♪」
そう言って
電話を切った。
”待っててね♪”って・・
本当に大丈夫かな・・・
夕方
お店に帰って来た
ジェジュンは
私が心配するような
ことはなかった。
「お疲れ――」
「あ・・お疲れさまです。」
私を見つけると
いつも通り
ニッコリ微笑んで
声をかけただけ・・・
全然普通だった。
なんか
拍子抜けした。
「〇〇・・
ちょっとこっち
手伝ってくれる?」
「はい・・」
しばらくして
ジェジュンに
呼ばれて
一緒に倉庫に行った。
「補充?」
何を手伝うの?――
「あっ・・
ジェジュン?・・」
いきなり
倉庫の壁に
私を押し当てた。
「〇〇・・・」
ジェジュンが
キスしようとした。
「!?バレちゃうよ・・」
「〇〇こそ・・
あんな淋しそうな顔したら
変に思われるだろ?」
淋しそうな顔?
私が?・・・
あまりに
普通なジェジュンの
反応を少しだけ
残念に思ったけど・・
「そんな顔してた?・・」
「うん・・・何かあるって
バレバレ・・・」
「嘘!?」
「ほんと・・・」
危ないのは
私の方だったんだ・・
顔に出てるなんて・・
一人動揺する私に
ジェジュンは
優しく微笑む―――
「でも大丈夫。
俺たち
もともと仲良いから
簡単にバレナイよ。」
「そう・・かな・・・」
確かに
お店の中では
大丈夫かもしれない。
だけど
家の中で・・
ユチョンの前で・・
不安になる――
「アハ
意識し過ぎなきゃ
大丈夫だよ。」
ジェジュンは
軽くハグして
キスをした。
意識しない?
無理・・・
「無理かも・・
普通にしていられない・・
ドキドキするし・・」
「俺もしてる・・」
ジェジュンが
自分の胸に
私の手を当てた。
「ね?――」
ジェジュンの
少し早くなった
鼓動を手のひらに
感じた。
「うん・・・」
「〇〇と一緒に
いるだけで
嬉しくて
笑っちゃうし
ドキドキする。」
ジェジュン・・・
「でも
失う方がもっと
怖くてドキドキするから・・・」
「・・・」
「失いたくないから――」
だから
普通に出来るって
切ない目で
言われた。
ジェジュン・・・
ジェジュンなら
守ってくれると
信じたこと
間違ってなかったと思う。
だけど
私は
ジェジュンのこと・・・
苦しめてるだけ
じゃないのかな・・
「ねぇ・・ジェジュン・・」
「アハ
またそんな顔して・・」
ジェジュンが
遮って言う――
「〇〇の哀しい顔
見るのが
一番ツラいよ・・
笑って・・」
私の頬に
ふわっと触れた手――
「・・うん・・」
無理して
笑ったら・・・
「あっは
何その笑い方・・
変な顔・・・
でも可愛い♪」
唇に
チュッと
音を立ててキスをした。
ジェジュンのことを
心配していたのに
そのキスに
素直に照れている私・・・
彼といると
癒される――
離したくないよ・・








