通じ合えた
嬉しさよりも
先に進んでしまう
怖さが勝っていた。
それすら
見透かすように――
「怖い?・・」
ジェジュン・・・
怖いよ・・
このまま
進む勇気ないかも・・
これだけでも
心臓が潰れそうに
痛い。
「大丈夫・・・
俺が守るから・・・」
ジェジュンに
抱き締められた。
包み込まれて
ジェジュンの
温もりを感じたら
張りつめていた
糸が解けてきた。
このまま
こうしていたい・・・
温かさに
全身の力が
抜けていく感じ・・
ジェジュンの
体が離れるのが
惜しかった。
「あれ?・・
〇〇・・・・」
離れたジェジュンが
私のおでこに
手を当てた。
「熱・・あるんじゃない?」
「え・・・」
ちょっとだるい
気もするけど
この雰囲気が
熱をあげた気もする。
でもジェジュンは
風邪かもと
本気で心配する。
「帰ろうか・・
送る。」
「うん・・・」
「遅くなっちゃったな・・
これからは
時間守るから。
何時まで平気?」
ユチョンが
帰って来る時間・・・
「10時には
家に居なきゃ・・」
これから
ジェジュンとの
2重生活が
始まる。
そう感じた
瞬間だった。
「10時過ぎてる・・」
心配そうな目で
私を見るから・・
「今日は大丈夫・・」
「?・・」
「・・出張中だから・・」
言っていいのか
迷った。
言えばきっと・・・・
でも言っちゃった。
ジェジュンは―――
「それって・・・
帰らなくても
平気ってこと?」
予想通りの
言葉を口にした。
こうなることは
わかっていたのに
後が続かない。
「・・・」
黙ってしまった
私にジェジュンは言う――
「帰らなくていいなら
帰したくない。」
・・!!
膝の上に
置いていた手を
ジェジュンが握った。
「一緒にいよ?」
「・・うん・・」
握られた手を
絡ませるようにして
握り返した。
懐かしい手の
感触・・・
覚悟は決まった・・
今日は
ジェジュンと過ごす
始めての日―――
「掃除して
おけばよかったなぁ・・」
そう言っていたけど
通された
ジェジュンの部屋は
綺麗だった。
お洒落な
インテリアで
飾られていて
ジェジュンらしい
空間に仕上がっていた。
「何か食べる?
って言っても・・・」
冷蔵庫の中は
お水とお酒しか
入ってなかった。
でも
今さら
ご飯を食べに
出掛ける気にも
ならずに
インスタントラーメンで
済ませることにした。
「ちょっと待ってて。
スペシャル美味しい
ラーメン作るから・・」
対面キッチンの
向こう側で
自信満々な
ジェジュン―――
「インスタントラーメンに
スペシャル美味しいとか
あるの?」
「あっは~〇〇!
あるよ!
水加減と火加減・・
タイミングが大事
なんだから。」
得意げな顔――
そんなジェジュンを
見ると
ちょっぴり
苛めたくなってしまうから・・
「袋の裏に
”美味しい作り方”って
分量も時間も
書いてあるよ?」
「あーあ・・
良いから黙って
待ってて。
美味しいの
作るから!」
この
ちょっと
拗ねた顔も好き――
二人で
過ごす時間・・
昔と全然
変わらなくて
不思議な気分になる。
本当に
昔に戻ったみたい・・
「どう?
ね?・・美味しい?・・」
まだ
食べてもいないのに
急かすように聞く。
「ん・・まだ・・」
冷まして
食べようとすると
また聞く。
「美味しい?」
そんな風にされて
”美味しい”以外の
答えが出来る人って
いるのかな?・・
「美味しい――」
そう答えた。
その答えを
待っていたはずなのに
本気で照れる彼が
可愛い。
でも
本当に美味しかった。
ジェジュンが作る
ラーメン―――
こうして
どんどん
溶け込んでいく・・・
違和感も怖さも
すべて溶かして
ジェジュンが
隣にいる時間に――――










