ジェジュンとキス・・・・
私は受け入れた。
思い出すだけで
心臓がバクバクして・・
それを隠すように
駅から家まで
走った。
凄い
息切れしてる・・
ハァハァ言いながら
辿りついた部屋の
ドアを開ける。
開けた途端
明かりが差したから
おかしいって思って
顔をあげたら
今度は
心臓が止まるかと
思った。
ユチョンっ!!
「おぉっ今帰り?」
今帰って来たらしい
ユチョンが
悠長に
玄関で靴を脱ぎながら聞く。
もうずっと
余裕のない私は
息切れするだけで
声が出て来ない。
”うんうん”って
小刻みに頷くことで
伝えた。
「?走って来たの?」
不思議な目で
見るから・・
「・・ん・・
ユチョンより
早く帰らなきゃと思って・・」
なんて嘘をついた。
「いつもそうなの?」
「ぅぅん・・今日は
残業でたまたま・・」
”仕事頑張ってるんだな。
無理するなよ?”
って優しく微笑む―――
何で?
何でなの?
そんなことされたら
苦しくなる・・・
またその優しさを
独り占めしたくなる。
少しくらい
誰かに分けてあげても
いいんだって
我慢して来たのに・・
そして
ジェジュンとキスしたこと・・
罪悪感で
いっぱいになった。
先にお風呂を
済ませた
ユチョンが
リビングに
入って来た時
懺悔も口に出来ない
過ちを犯した苦しさに
押しつぶされそうだった。
”ごめん”と言えば
ユチョンに知れることになる。
言えない・・・
だけど
こんな私の苦しみは
無意味だったのかも
しれない。
だってユチョンは――
「明日から
出張になったから・・」
「・・明日?・・
祝日なのに?」
明後日から
出張と聞いていたのに
どうして
祝日の明日から行くの?
トラブルがあって
前乗りするんだって
言うけど・・・
本当?
「じゃあ帰りは
一日早くなるの?」
「いや・・変わらないと
思う。早く帰れそうだったら
連絡するよ。」
「・・一人で行くの?」
「同僚と二人・・・」
”女の人?”
それは聞かなかった。
たとえ
女性でも
”仕事・・”
そう言われたら
何も言えない。
翌朝
早くにユチョンは
出て行った。
”まだ寝てれば
いいのに”って
申し訳なさそうな顔をして・・
そんな顔
しなくていい。
しないで・・・
疑ってしまうから――





