突然の参加にも
関わらず
私を快く
迎えてくれた業者の人たちと
ユノさんの送別会を
楽しんだ。
飲まないユノさんの
代わりに
私が飲んだ。
「ホントに
強いんだね?
結構飲んでたのに。」
顔色一つ
変わっていない
私に
もしかして
引いちゃった?・・・
「・・そんなに
飲んでませんよ?」
「ハハ
代わりに飲んで
くれたから
助かったよ。
良かったら
それ
持って帰る?」
お別れにって
もらった一升瓶――
さすがにそれは・・
「いいです。
日本酒は・・・」
「そうなの?」
「あ・・じゃあ
ワインは飲む?」
「?・・」
「知り合いから
もらったワインが
あるんだけど
飲まないからさ・・
忘れたけど
何とかっていう
貴重なワインらしい。」
「そんなの
頂けませんよ。
お友達と一緒に
開けたらいいじゃないですか。」
「いや。
そんな予定もないから。
今から取りに行こうか。
ここからすぐだから・・」
会社で渡すと
帰りが重いだろうって・・
「でも・・・」
今からユノさんの家?・・
「ずっとお礼
したかったから・・」
「お礼?」
「ワイシャツのお礼
出来てなかったから――」
「そんな・・」
ワイシャツのことは
すっかり忘れていた。
そんな風に
言われてちょっと
嬉しくなる。
着いたのは
マンションで・・・
「ユノさんって
一人暮らし
でしたっけ?」
チャンミンと
一緒に住んでいると
思っていたから
実家なんだと
思い込んでた。
「最近
引っ越したんだ。
自立しようと思って――」
「そうなんですか・・」
一人暮らしだと
知ったら
もっと部屋に
行くのを躊躇ってしまう。
そんな私を
見かねたのか
部屋の前まで来て――
「ちょっと待ってて。
取って来るから。」
そう言って
ユノさんだけ
部屋の中へ。
残された私は
ドアの前で
待っていた。
ちょっと待っててと
言ったきり
ユノさんは
しばらく経っても
出て来なかった。
どうしたのかな?・・
夜も遅いし
帰らなきゃ・・
今度でいいですって
言おうと思った。
「ユノさーん・・・
今度で・・・・・!!・・」
部屋のドアを
開いて
私は言葉に
詰まった。
だって――
気まずく笑っている
ユノさんの周りには
半分開封された
段ボールの山・・山・・山・・・
「ごめん
まだ片付けてなくて
どこ行っちゃったんだろ?」
「・・いつ
引っ越したんですか?」
「1か月くらい前かな。」
1か月もこの状態!?
「忙しいのは
わかりますけど・・
住み心地悪くないですか?」
「ハハ・・慣れれば・・」
「慣れちゃだめですよ。」
こんなの――
ちょっと呆れた。
「手伝いますよ・・・」
今やらなかったら
ずっとこのままな
気がした。
私がやる必要なんて
ないけど
手伝ってあげたくなって・・
やっぱり
ユノさんは
どこか放って
置けないところがある人―――
ユノさんの
荷解きを手伝い
始めて
段ボールの山の
割に荷物は少ない
ことに気づいた。
箱に綺麗に
詰めるというより
放り込んだ
感じだから
嵩が増えてしまっていただけ・・
ぐちゃぐちゃに
詰め込まれてた。
もちろん
洋服類も・・
「どうして
畳まなかったんですか?
しわになっちゃってますよ?」
「アハハハハ・・」
笑って誤魔化す
その姿は
面倒なことを
嫌う男の子って
感じだった。
仕事は
ちゃんとしてるのに・・
ユノさんの
違う一面を
見つけた気がして
嬉しくなった。
「あった!!
こんなところに
何でだろう?ほら!」
私にくれると
探していたワイン――
洋服がいっぱい
入った箱の中から
見つけ出して嬉しそう。
「割れないように
服と一緒に
入れたんじゃないですか?」
「あー!そうかも!!
ハハハハハ」
これが
ギャップって言うのかな?
女の人は
ギャップに弱いって
良く言うけど・・・
仕事中のユノさんは
完ぺきな人――
でもここにいる
プライベートな
ユノさんは
違います・・よね?






