映画「1984」:(4) Who is she?
剃刀の刃も最後の一枚だ。窓の外からソートポリスのヘリコプターが監視している...
彼女は何者なのだろう。私が知っているのは,彼女がプロレタリア用のフィクションを書いている部門に属していることだけだ。あそこでは人工授精のポスターを貼っていた。テレスクリーンからは出生率の推移と,人工授精による成果の割合について目覚しい進歩があったという数字が読みげられている。
地下通路で彼女と出会った。腕を包帯で吊っていたが,水溜りに足を取られたのか,目の前で転倒した。
「怪我はしなかったかい?」
「なんでもない,ちょっと腕を打っただけ。」
ブラザー,手を貸して。」
「ほんとに大丈夫?」
「ありがとう,ブラザー。」
Waiting for you at the Victory Square.
危険な私信は焼却してしまわなければならない...
ヘリコプターはまだ監視している。
あの女は何者なのだろう....
パーソンの奥さんから廃水の詰まりを直して欲しいと頼まれた。
部屋では息子達がテレスクリーンで囚人達の絞首刑の模様を眺めていた...
「奥さん,スパナは何処にありますか?」
「その横の方に。」
「夫は委員会で忙しくて。」
「お前はソートクリミナルだな。」
「すみません,外にでて遊ばなくて...ありがとう,ブラザー。」
- 皆さん,ご注目ください。4万人ものユーレイシア人が戦死または捕虜となりました -
ヴィクトリア広場にその捕虜たちが連行されて来る。中には東洋人らしい顔も見える...
いつのまにか隣にあの女が来ていた。
「私の声が聞こえる?」,「ああ。」
「これを受け取って。旧ロンドン郊外に出る許可は貰える?」
「ぜったい秘密よ。必ずこれを処分して頂戴。」(続く)
映画「1984」:(3)記憶の底
「気にいったものがおありですか?」
「前に剃刀の刃と,ノートブックを売ってもらいました。」「はあ,憶えています。」
「これは何?」
「美しいものです。かれこれ100年ほど前のものです。」
ボロボロになった赤いハイヒール…
「二階の部屋にもご覧になりたいものがあるかもしれませんよ。」
「このベッドは死んだ家内が使っていました。
南京虫さえ追い払えば,とても美しいベッドです。」
「この絵は見たことがある。裁判所の外の通りにあった美術館だ。」
「オレンジとレモンです。つまりセントクレメンツの鐘です。」
意志の力はオルガスムを凌駕する。反セックス同盟の行進が今夜ヴィクトリー・スクエアで高らかに行われた..
記憶の底に眠るもの…
母さんの死骸の上には多くのネズミが歩き回っていた…
「私は彼女を憎むべきだ。
私は告発される前に彼女を殺さなければならない。」(続く)映画「1984」の途中感想
「夢だ」
「何か古いものだ。」
これまでの画像をご覧になった方は「何て暗い物語なんだろう」ときっとお思いのことと筆者も考えます。こんなものは見ないで済ませたい,とお思いの方は是非そうしてください。ワタシもどちらかといえば,通常は見ない方を選ぶ人間の1人です。
ですから,この映画の中で作者が肯定している(そう願っている)画面を先に2つだけあげておきたいと思います。上の場面は男と女が始めてプロレタリア地域の外れの森までデートに行ったところで見た景色です。「それは夢のようだった」とスーパーが出ていますが,緑豊かな自然そのものです。
2つ目は古道具屋で目に留まった,古いガラスの置物。中に珊瑚が埋め込まれています。生活の役には全く立たない,意味もない代物ですが。
総じて1984年では役に立たないもの,誤っているものはすべて悪であり,排除すべきものとされています。早晩,プロレタリアの存在そのものの消滅と同時に消えうせるはずです。そのための正しい方法は,それに該当する言葉を無くしてしまうことなのです。なにやら,今の私たちの考えをそのまま推し進めていけば,到達しそうな「理想の未来社会」を暗示してはいませんか?
読者の方々自身に考えていただきたいため,できるだけ多くの画像を入れ,ワタシの感想は最小限にしたいと思っています。前にもお断りしたように,このDVDは現在日本で発売されておらず,リージョンコード上の制限もあるため,ワタシがここで取り込んだ画像は商業目的には使用できません。ここからコピーは可能ですが,読者各自の責任でご使用くださるようお願いします。
では続きをどうぞ。これからはウィンストンの心の暗所と,唯一の希望である女性への愛が描かれますが,それがどのような結末を迎えるか。






















































