映画「1984」:(9) ビッグ・ブラザーを愛するようになるまで(1)
ウィンストン:「大事なのはただ生き延びることじゃないんだ。重要なのは、人間であり続けることなんだ。肝心なことはお互いがお互いを裏ぎらないことだ。」
ジュリア:「告白のことを言っているんなら、それは義務よ。みんなそうしてるわ。あなただって逆らえない。」
ウィンストン:「告白のことを言っているんじゃない。告白は裏切りじゃない。僕の言っているのは感情のことだ。もし彼らが僕の感じ方を変えられれば…君を愛することだって止めさせることができる。それこそが本当の裏切りだ。」
ジュリア:「奴らにはそんなことできっこないわ。それが奴らにできない唯一のことよ。奴らはあなたを拷問するでしょう…そして何でも言わせるでしょう。でも、でもあなたにそれを信じさせることは決してできないわ。だって、あなたの心の内側には入り込めないもの。」
ウィンストン:「オブライエンに会うことになっている。」
ジュリア:「知ってるわ。」
映画「1984」:(8) チョコレートと鼠
外に出ると,空襲警報が鳴っていた。 「爆発するぞ,空から死神が降りてくるぞ,伏せろ。」
しかし,伏せていた身を起して見たものは,炎上するソート・ポリスのヘリコプターだった。
記録室はてんわわんやの大騒動になった。イーストエイジアとの戦闘で多大な成果と共に多くの戦死者が出たからだ。

死んだものは忘れられ,生きているものは別の人間に変えられる... あの101号室のドアの向こうには何があったのか?
ウィンストンは泣いていた。
「どうしたの?」
母さんは窓から僕の名前を呼んでいた。我慢できなかった。
どうしてもチョコレートが欲しかった。
何時間かして部屋に帰ってみると,母さんと妹はいなくなっており,ベッドの上もまわりも真っ黒な鼠,鼠,だった。
それは,二人はもう生きてはいない,ということを意味していた。(続く)
映画「1984」についての探偵の言い訳Z
実は前回の記事に対するコメントでtororo-mekabuさんから次のような言葉をいただいたとき,探偵は見透かされた,隠していたことをズバリ言われてしまった,と焦りました。
「私、これ見たんです!昔、何処だったんだろう。。。誰と見たんだろう。 あの、少年の心がかなしかったような。違いますか?」
よく読めば,どうもこれは「午後の曳航」についてらしいと分かったのですが,最初は「1984」に対するコメントだと錯覚したのです。ワタシはこの記事を書き始めた時からデジャビュに陥っています。物語自体も時間が錯綜した,どこが現時点なのか分からないようになっていますが,ワタシの古い記憶では主人公がどうしてもリチャード・バートンなのです。相手となるジュリアももっと細身の人でした。あり得ないことですが学生の頃に同名の映画を見たような気がしてならないのです。
ワタシは優れた近未来物語はかならずデジャヴュ的であると思っています。あるいは逆に,デジャヴュ的な感覚に陥るような物語が本当の近未来物語だ,といえるかも知れません。そのような物語の代表的なものを3つ挙げろ,といわれたら,ワタシは迷わずこの「1984」,カレル・チャペックの「オッサムのロボット」,そしてハクスリーの「素晴らしき新世界」を挙げると思います。もう1編だけ追加するなら,それはウェルズの「宇宙戦争」でしょう。どれも皆ペシミスティックであり,どれも人間の崩壊につながっています。
これでワタシはデジャビュから逃れられる,といいのですが。









































