コンドル(15)
TVのニュースを見てターナーはサムが死んだこと,ウイクスが病院に運ばれたこと,そして何かカモフラージュが行われたことを知る。TVのレポーターは「被害者は証券会社の社員で,犯人は拳銃を持ったまま逃走しています」と言っている。
女が「CIAのシの字も出ないわ」と言ったことから,ターナーの推理は進む。現場にはヒギンズが自分で来なかった。課長がサムに命令したはずだ。すると…
「まてよ,命令を受けたサムは女房に電話したはずだ…」
ターナーはすぐにサムの女房に電話する。「もしもし」という声がしてまだ無事であることは分かった。しかし一刻の余裕もない。助けに行かなければならない。事態が緊迫さを増してきた不安な表情を見せる女に上着を着ながらターナーは言った。
「車を借りる」
女はここぞとばかりに抗議する。
「誘拐罪に窃盗罪も加わるわ」
反抗的な態度にターナーは方針を少し変えた。
「バーモントの男は連絡してくるのか?」
「すぐにも電話してくるわ」
「ここには現れないか」
「知らない。銃があれば人の自由を奪ってもいいの?」
「わたしが自由を奪ったか?」
女は強い口調で抗議する。
「もちろんよ。現に奪っているわ」
「ワタシが君をレイプしたか」
女はフンという顔をして答える「夜は長いわ」
ターナーはしかし焦らず,ゆっくりと女のそばに座ると言った。
「ワタシの言うことが信じられないか」
「ほんとらしいけど理解できないわ。何に巻き込まれているのか」
「信じないなら同じことだ」
そうなれば女の自由を束縛しておく他はない。ターナーは「やめて」と叫んで抵抗する女を力ずくでトイレの方に連れて行き,「やめて,縛らないで」との懇願を無視して後ろ手に縛り付けた。キッと男を睨み付ける女。ターナーは手近なネクタイで女の口に猿轡をはめようとした。女はゆっくりと強い口調で男をなじる。
「こんなの,アンフェアよ」(字幕は「汚いわ」である)
ターナーはうなずきながら答えた。
「分かっている」
(男と女の間で「フェア」とは何かを考えながら味わってください。その後はサスペンスとしてはピークですが,無粋な話に続きますので。探偵より)