目違い
間違いではなくて目違いです。昔の小さな町の映画館で,または町内向けの映画を体育館で観たことのあるヒトは,せっかくいいところに差し掛かると画面の真ん中に黒い横棒が表れて上下半分づつの半端な画像になり,満場からブーイングが起こったという体験をしませんでしたか?あれは「目違い」といい,映写技師のミスの1つです。フィルムは(35ミリフィルムは)1巻が約10分にあたり,通 常は上映前に数十分づつ繋いでから映写するのです。そして次の数十分にあたるフィルムを第2映写機にかけておきます。あとは交互にこれを行います。フィルム上では1コマに4つの穴(パーフォレーションという)がそれぞれ左右に付いていて,すべての穴と穴の間がコマとコマの切れ目というわけではないのです。薄暗がりでしかも手作業でフイルムを切って繋ぐと,半分だけずれることがあるのです。これはそのコマのコントラストが低い場合に(黒に近い=暗い,白に近い=まぶしいくらい明るい)特に見分けにくいものです。
シネマパラダイスでも,この繋ぎ作業をフィリップノワレが行うシーンが最初の方に出てきます。「舐めてごらん,ジェリーなんだ」と言ってフィルムの乳剤側を示します。舐めて繋ぐのです。ですからよくはがれて(切れて)またお客からブーイングが起こる,というのが昔の映画でした。