生きる幸せを噛みしめて -7ページ目

『28年目のハーフタイム』 金子 達仁

金子達仁の実質的デビュー作。


「マイアミの奇跡」の裏で何が起きていたのか。
中田、川口といった選手達や西野監督のインタビューを元に
1996年アトランタ五輪サッカー日本代表チームの
複雑な人間関係を描ききったノンフィクション。
28年とは、メキシコ五輪銅メダルからアトランタ五輪までの年月を指す。


経験の差がもたらした各メンバーの感覚の違い、
周囲の騒ぎによるストレス、そして亀裂。
チーム崩壊までの過程が第三者の立場から鮮明に描かれ
ぐいぐい引き込まれる。
立ち読みで読みきってしまった。


そして、メンバーの入れ替わりの激しさを感じずにはいられない。
「マイアミの奇跡」のメンバーで今回W杯代表に選ばれているのは、
川口、中田英寿、田中誠の3人だけのようだ。
その3人だけをみても、
2002年W杯では川口は控えGK、田中誠は選外。
トップであり続けることの難しさを感じる。


金子 達仁
28年目のハーフタイム

般若心経

テレビで、28歳で年商30億円を稼ぐ事業家の話 をみて以来、
聴覚による心の洗濯に興味を持つようになった。


般若心経で言われていることは、
全ての物事は幻であり、
物事があるように思い込んでいるだけであり、
とらわれてはいけない、
ということのようだが、
解釈はあっているだろうか?


いつの間にか心が洗われ、イライラが収まり、物事をやろうという気分になれる。
5分ほどのお経、隙間時間に繰り返し聞いている。


般若心経の説明サイト
http://www.e-sogi.com/arekore/kyo1.html


般若心経・観音経

『自分の弱さとどうつきあうか』 加藤 諦三

1997年に起きた、宗教団体メンバー39人集団自殺事件を横軸に、
人間の現実否認について記した著書。

著者のメッセージは非常に明確だ。「現実から逃げるな。」
逃げることは安易だが、そこに解決策はない。逃げてはならない。


気になった言葉など
・傷ついた自分を守るために気付いた壁は心のふれあいを閉ざし、周囲の思いやりが気付けなくなる。
・傷つかぬよう絶対的な真実を求めると、カルト集団の餌食になる。
・心が不満な時には慰めの心に騙される。「おだてられた」と「誉められた」を勘違いする。自分の弱さを見せればそれを利用しようとする人の前で自分の弱さをみせ、自分の弱みを見せても良い人の前で突っ張る。

・厳しくとも現実を突きつけてくれるのがあなたを愛してくれる人。
・自分の間違えを認めた時、精神的に大きく飛躍する。


加藤 諦三
自分の弱さとどうつきあうか―大人になれない大人のための心理学

『返事はいらない』 宮部 みゆき

宮部みゆきの初期ミステリー作品集。
表題作「返事はいらない」他、短編6編が収録されている。


表題作は、
元カレへの感情から犯罪に加担していくことになる主人公の心理を
主人公と刑事のやり取りから丹念に描写していく作品。

全ての作品が、リアリティのある舞台設定の中で人間の微妙な心理を描いていた。
宮部ワールドを確立した時代の作品との解説があったが、納得だった。
そして『たそがれ清兵衛』 で取り上げた
「感情を通す」にもってこいな作品であることにも納得した。


宮部 みゆき
返事はいらない

『人材紹介のプロが教える 望み通りの仕事をつかむ人の共通点』 蛭田 敬子

メルマガ「人材から人財へ」の著者でもある、(株)アイカ社長蛭田敬子さんの処女作。
人材派遣で多くの求職者と求人をマッチングしてきた経験を元に、
仕事に対する心構えを説いている。
痛烈な話が多いだけに、非常に勉強になる。


この本を読むと、「望みどおりの仕事をつかめる人」は「社会性のある人」となりそうだ。
社会性はどうしたら身につけられるのか?が次の焦点となるだろう。


この本の内容
・キャリアアップできる会社などない
・誰もが出来る仕事は収入が低い
・「働いてあげる」のではありません
・働く意味…自分を成長させるため
・仕事が出来る人に共通しているのは仕事と遊びの境がないこと
・スキルは陳腐化する
・イメージや条件で仕事を選んではいけない
・安住の地にいると自分を見失う
・ある年齢までに経営サイドにいけない人間に居場所はない
・自分に都合の良い逃げ道をつくっていないか
・資格よりも、語学よりも、学歴よりも、職務経歴
・企業が育ててくれるのは26・27歳くらいまで

・ほしいものだけを手に入れることは出来ない
・そう簡単に仕事を任せる会社はない
・仕事が出来る人ほど、耳障りな言葉もきく
・人の縁を切っていく人は長続きしない
・人は常に比較されている、自分が休むと会社が困るような存在にならないと。
・会社は一定期間しか待ってくれない。早く自分の居場所を作る努力を。

・人が仕事をする上で最も大切にしなければならないのは信用
・自分だけの仕事を作りたがる人は辞めさせたい人
・NOと言えない人は辞めさせたい人
・自分の見せ方が下手な人は辞めさせたい人、謙虚さと前向きさを見せなければ。
・人に感謝できない人は辞めさせたい人
・チャンスをつかめる人は、小さな会社に入って大きくする人
・日頃から準備しておかないと、試練に立ち向かうことが出来ない、チャンスも生かせない
・やったことないからと限界を作る人はチャンスを生かせない
・目的意識の強い人はチャンスをつかめる人
・協力者がいないと仕事は続かない

・自分が「商品」であると自覚している人は売れる
・信用のある人は売れる
・自ら求めて働いている人は売れる
・実績を目に見える形に出来る人は売れる
・常に進化し続けている人は売れる
・自分の感情をコントロールできる人は売れる
・自分の欠点を笑って話せる人は売れる
・情報の集め方が上手い人は売れる
・システム化できる人は売れる
・相手の時間に対する配慮が出来る人は売れる
・人を見る目がある人は売れる
・相手が自分に求めるものを与える人は売れる
・生き方に対する覚悟が出来ている人は売れる
・経験こそ財産と知っている人は売れる
・結論を考えてから行動できる人は売れる
・人の感情が読める人は売れる
・偶然の幸運に出会える能力のある人は売れる
・出来ると信じている人は、出来るようになる
・泣き言を言わない人は出来る
・悪いことにも感謝できる人は売れる

蛭田 敬子
人材紹介のプロが教える 望み通りの仕事をつかむ人の共通点

『気くばりのツボ』 山崎 拓巳

勝ち組は気配りに優れているという噂を耳にする。
勝ち組かどうかは別として、
他者を気持ちよくさせた人に情報が集まってくるのは確かだろう。


本書は、文字通り「気くばりのツボ」を教えてくれる。
1章1テーマ、「ポイント、会話例、解説」の3段階で成っている。

1章であれば
ポイント:小さな良い変化に気付く力
使用例:「髪形変えたの?」「いいじゃん」
解説:誰でも自分に一番興味がある、自分のちょっとした変化に気付いてくれる方は、自分にとって特別の存在だと思える

といった具合。
読んだその時から実践可能だ。


120ページあまりの小冊子、1時間もかからず読み終えられる。
何度も読み返し、自然体で気配りできるようになりたい。

山崎 拓巳
気くばりのツボ

『たそがれ清兵衛』 藤沢 周平

藤沢周平作品、今までラジオドラマで聴いたことはあったが、読書するのは初めてだった。

本編には、表題作品「たそがれ清兵衛」ほか短編8編が収録されている。
いずれも風体性格ゆえに侮られがちな侍たちが、剣の才能を発揮して活躍する小説だ。


いつだっただろうか、R25の石田衣良エッセー「空は、今日も、青いか?」にハイヤー運転手の話があった。
運転手曰く、客商売にとって重要なのはクレームをつけられないこと、
そのためには本を読み「感情を通しておく」ことが重要、との話だった。
そしてハイヤー運転手仲間の人気作家は宮部みゆきと藤沢周平だとも書かれていた。


今回の読書で、ハイヤー運転手仲間の人気に納得がいった。
藤沢周平作品は、淡々とした物語展開の中に、微妙な人情の機微が感じられる。
感情を通すにはもってこいの作品だろう。

藤沢 周平
たそがれ清兵衛

興味のある本

山田 ズーニー
あなたの話はなぜ「通じない」のか

メディア力をあげる方法は?ベネッセの小論文講座講師が書いた本。

他者に対する影響力を増すことができるでしょう。

スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー, 望月 衛
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

「ビジネスブックマラソン」にて紹介されている。全米100万部ベストセラー、今年1、2位を争う注目作とのこと。


大前 研一
ロウアーミドルの衝撃

「超一流の年収を稼ぐスーパーセールスマンになる方法」にて知る。何故か本屋で見つけられない。



C.K.プラハラード, スカイライト コンサルティング
ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略

これも「超一流の年収を稼ぐスーパーセールスマンになる方法」にて知る。

N-11(ネクスト・イレブン)「韓国、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム、メキシコ」なんて言葉も同時に知る。


松下 幸之助
指導者の条件―人心の妙味に思う

松下幸之助の本では珍しく綺麗事が書かれていないとか。


田中 淳子
速効!SEのためのコミュニケーション実践塾

日経ITプロフェッショナルの人気連載を単行本化。



ドロシー カーネギー, デール カーネギー
ハンディーカーネギー・ベスト Handy Carnegie’s Best
「人を動かす」「道は開ける」「名言集」の3冊。社会人必携の書では?


吉江 勝
超一流の年収を稼ぐスーパーセールスマンになる方法―3つの習慣と5つの提案と26の秘策
吉江さんの処女作だったはず。興味深いのだが、サラリーマン長者のほうが良いのかな…。

神田 昌典
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語
今をときめくコンサルタント神田 昌典さんの本。成功者が辿る地雷について述べた本。
マイケル・E. ガーバー, Michael E. Gerber, 原田 喜浩
はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術
平成進化論で紹介されていた。逆算思考を学べる本とのこと。

『しあわせのねだん』 角田 光代

直木賞作家、角田光代のエッセイ集。
ものの値段とそれにまつわるエピソードが綴られている。
Blog「某図書館長の独り言」での書評 で興味を持った。


ほぼ日刊イトイ新聞-担当編集者は知っている  に出版の経緯が語られている。
角田光代の経済観を知りたいということだったようだ。
なるほど、飾り気のない文章で経済観が垣間見えるエッセイだった。


この本の見どころは、「某図書館長の独り言」でも引用されているが、
最終章「一日(1995年の、たとえば11月19日) 5964円」の以下2箇所だろう。


「そうして三十代も後半に近づいた今、思うのは、二十代のとき使ったお金がその人の一部を作るのではないか、ということである。・・・今の私の足場のなかに、二十代のころとにかくだれかと飲んでいた時間、とうのはまぎれもなくある。だれかと会い、酒を飲み、恋愛とか仕事とか将来とか、とらえどころのないものについて人の意見を聞き、自分の意見を言い、夜を過ごし、白んだ空を見て帰る。役にたつとかたたないとかではなくて、そうしたことが、私のなかの根っこ近くにどうも在る。(p.188)」


「三十代後半だったその人は、まるで自己紹介をするみだいに、自分には貯金がいくらある、と平気で(というより得意げに)言っていた。映画も見ず、酒も飲まず、外食もせず、旅行もせず、貯めたお金なんだなあとすぐにわかった。だってその人、中身がなんにもなかったのだ。二十代を貯金に費やせば、それだけのことはある、というか、それだけのことしかない。数字は積み上がるが、内面に積み上がるものは何もない。(p.191)」


何気なく日常的に行なっている「お金を使う」ということ、の意味を深く考えさせられる。


角田 光代
しあわせのねだん

『忙しい人の即効!勉強術』 臼井 由妃

著者は健康器具販売会社社長。
37歳からの5年間で、MBA、博士号2つ、行政書士、宅地建物取引主任者等の資格を取得する。
最近は「マネーの虎」にも出演していたとか。


本書では、目標の立て方、時間捻出方法、資格学校との付き合い方、日々の生活方法、と
資格取得に必要なことが一通り書かれていた。

短期間で多くの資格を取るのには、やはり並大抵でない努力を重ねている。
「問題集を破いてポケットに忍ばせ、赤信号になると取り出してみていた」
とのエピソードには、自然とモチベーションがあがった。


気になった言葉等
・大人の勉強とは、「お金を得るために勉強する」こと
・同時にいくつもの事を勉強するのは危険
・勉強は、時間とお金を投資して、お金を取り返そうとする作業
・大きな時間(1時間以上のまとまった時間)は、使える五感は全て使う。書く、見る、話す、聴く、など複合的に使って。
・会社員の場合、どんなに信頼していても、会社の人に勉強を宣言するのはやめたほうがいい。
・モチベーションには波がつきもの。「ちょっと疲れたな」と思った段階でいろんな手を打ったほうが良い。音楽も効果的。
・1週間に半日くらいは遊ぶ時間に使う。
・語学を制する武器は、回数に他ならない
・腹6分目に保つ、健康を保つ秘訣
・手や顔を洗ってリフレッシュ
・寒色系(ロイヤルブルーやグリーン)を身の回りに配すと、やる気が継続できる。

臼井 由妃
忙しい人の即効!勉強術