先日、実家の愛犬「きなこ」があの世へ旅立ちました。
心配してくださっていた皆さま、ありがとうございました。
穏やかな最後でした。
きなこが我が家に来る前、私は犬を飼うことに反対していました。
家族が増えるということは、問題が増えるということです。
私は面倒くさがりなので、精神的にも物理的にも面倒臭かったのです。
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きなこを飼い始めて十数年が経過した頃、きなこは大脳の脳梗塞になり、徐々にボケていきました。
彼女の記憶や機能が曖昧になってから、
犬の本能的な望みを叶えてあげられないことに対する罪悪感がなくなり、切ない思いをすることがなくなりました。
疲れているときに散歩の催促をされ、面倒な思いをすることもなくなりました。
きなこが寝たきりになってから、毛や排泄物などで実家の床や衣類が汚れることがなくなりました。
きなこがこの世を旅立って、数年間ろくに外出することができなかった母が自由になりました。
それでも、彼女に戻って来てほしいと思うのはなぜでしょう。
彼女の居場所がこの世になくなって、あの煩わしさを、もう感じられないのかと思うと、さまざまな思い出が蘇ります。
一生は誰にとっても一瞬ですし、悲しんだって彼女は生き返らないので、悲しむのもほどほどにしたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。