0033 遺産分割協議の注意点 負債について | パピルスから電子文書へ

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文書名 負債は遺産分割できるか
文書番号 0033
作成日 2013/08/27
ジャンル 経営法務

Ⅰ 事例
① A商店を営む甲氏が死亡した。この相続に対して、その資産の全てを長男が相続する旨の遺産分割協議書を作成した。この遺産分割協議書には長男と弟の連名で実印を押してある。これに基づき長男がA商店の事業の他全ての財産を相続した。

② あなたは甲氏に1,000万円を貸付けていた。

③ 長男に返済を求めに行った。しかし事業の不振により資金不足で返済できないといわれた。

④ 次男は、上場企業の役員をしており返済ができそうである。次男のところに返済を求めにいくとこう言われた。
「 長男が全部相続したので、返済する義務がない。」

⑤ この場合における法律的な取扱いはどうなるか。

Ⅱ 取扱い
① 遺産分割協議は、プラスの財産にのみ有効で、マイナスの財産である負債については債権者の承諾がない場合は有効ではない。
② 従って、負債は法定相続分に従ってそれぞれが相続する。
③ 相続放棄の手続きをしていないわけだから、次男については法定相続分に応じた500万円の返済義務がある。

Ⅲ 根拠
[1] 遺産分割協議  民法907条1項
  遺産の分割は、その被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議により遺産の分割をすることができる。

[2]遺産とは  東京高裁昭和37年4月13日決定
  遺産分割の対称となるのは被相続人の有していた積極財産だけであり、被相続人の負担していた消極財産たる金銭債務は相続開始と同時に共同相続人にその相続分に応じて当然分割承継されるものであり、遺産分割によって分配されるものではない」

[3]法定相続分  民法900条
子、直系尊属、兄弟姉妹が数人あるときは、その相続分は相等しいものとする。