市場の仲買の社長。




『どうもこうも大変ですよ。今ちょうど契約更改ですから』




「何年契約や?」



なんてとこから、小1時間の長話になった。




コンビニと市場の仲買の考え方の違いや、人の使い方、セリのコツなど・・・



毎度まいど勉強になります。



その時、社長の奥さんが、

「あんたら(愛情を込めて)似たような業種同士で話しててもダメなの!!異業種と交流持っていろんな意見聞かないと」


へぇー、

珍しい。

奥さんが「難しい話」にクビを突っ込んできた。

いつもは精神的なことや女性の視点での指摘しかしないのだが。

どうしたんだろ?

よっぽど、私の店の契約のこと気にして言ってるのかな?


「辞めるな辞めるな」言ってたし。



きっと、

異業種の話を聞いて自分の仕事を見つめなおせ。

或いは、

異業種と交流をもって仕事を変える時の基盤を作れ。

と言いたかったのだろう。


その異業種交流のネタで社長と盛り上がっていたら、いつのまにか電卓片手に奥さん寝てしまっていたから本音は解らなかったが。










『完全な異業種じゃないけど、俺これだけ市場で可愛がられているから、いつかは例の中央市場通り商店街で何かしたいと思うんだ。

だって、商店街立ち上げたのに市場のもの売る店ないでしょ?

それって強力なマグネットだと思うんですよね。

他の卸の会長に言った時も必要だって言ってるのに、なぜかそんな店を出さない大手果物店が反対してるでしょ?

誰がやっても良いのに。


果物の卸の人とも話してたんだ。

在庫は冷蔵庫にいれるでしょ、それなら外店に並べておけば売れるのに。

俺が店持って、商品を委託で預かり管理しようか?って言ってたんですよ』



社長は、

「自由競争なのにな。

市場の外店に魚・果物・野菜が売られていて初めて市場の商店街。

言う通りなんだけどな。

そんな、反対してるから築地とか大きな市場の外の商店街みたくならないんだよ。


今すぐじゃなくても出資してくれる人出るかも知れないから、お金ないからって諦めほうがいいかも知れんぞ」





あぁ。

ここで奥さんの言ってた


異業種交流が役に立つかも?なのか。


同じ業種の方なら、大手いるからダメとか反対あるから無理って先入観あるからなぁ。





・・・

って奥さんまだ寝てるし。









それからも、セリをする人の今昔や最近の求人に対する応募者の話で盛り上がる。




「あんたら、まだ話しとらん?よう話できるね。

何でも良いけど、

あんちゃん、やるしかないげんよ」







「あんちゃん、どうや?」

この夫婦からの私を気遣った、

「あんちゃん頑張れ」

って応援の言葉なのかも。