前回のpart1では、親指の筋肉をいつもどう使っているのか?
というお話をしました。立ち指のままで施術していた人には、
青天の霹靂だったかもしれませんね。
でも、本当なんです!
ピッチャーの球種にマッサージを例えてみる
今回は、野球の球種に例えて、様々な角度で、
揉みのテクニックについてお話しようと思います。
野球の球種といえば、いくつあるのでしょう。
ダルビッシュのように、様々な球種を使い分けるピッチャーもいますが、
きっと、基本は同じで、手や指の筋肉を自由自在に操れるからこそ
可能なことだと思います。
だから、隠すこと無く、WBCで来日した時に、日本のピッチャーにも
教えられるのです。どんなにやり方を知ったところで、
長い間かけて作り込んだ手や指の筋肉には、すぐにはなれないので、
球の変化の度合いも緩いということわかっているのです。
ストレート
カーブ
シュート
フォーク
スライダー
シンカー
スプリット
カットボール
チェンジアップ
野球には、そんなに詳しくありませんが、このような球種を使い分けます。
これに加えて、投球コースが加わってくるのです。
バッターも打つのが大変に決まっていますよね(^o^;)
まず、球に「球速」と「球威」なるものがあります。
ここからマッサージと重ね合わせていきましょう。
力だけで、「揉みのあたり」を無視したマッサージが「ただ速球」です。
見事にパーンと張り詰めた筋肉に跳ね返され、「棒球」と一緒です。
一方、親指IP → 手首 → 肘の伸展 → 体重
このように上手に体の連動を基本通り使う事で、「揉みのあたり」が良くなり、筋肉に跳ね返される事なく、深く侵入できます。
つまり、無駄な力を使わずに筋肉の深層に入り込むので、球威があり、速球にみえる球と同じなのです。
基本の球筋が違うということは、すべての変化球のキレにも関係してくるので、マッサージの基本レベルが高いということになります。
・揉みのストレート
手元でフックしてくるような球の伸びがあるストレートが良いとされています。揉みに例えると、筋肉の深くに入ってから、さらに、揉むことができると最高に良い揉みのストレートになります。
それを実現するのが、深層の筋肉に入ってからの親指IP伸展使いなのです。
・揉みのカーブ
背骨から起立筋を剥がし揉む技術でしょう。浅層で剥がすか、深層で剥がすかが、カーブの曲がり角度に似てくるのではないかと思われます。深層に届いてから、剥がせるマッサージが、脊柱起立筋には特に必要です。
・揉みのシュート
背骨にぶつけてほぐし揉む技術でしょう。これも浅層でぶつけるか、深層でぶつけるかがシュートの曲がり角度に似てくるのではないかと思われます。深層に届いてから、骨にぶつけるマッサージが、脊柱起立筋には特に必要です。
・揉みのフォーク
筋腹に真横から指を入れて、そこから親指IPを伸展して、離し揉む技術がフォークに似ています。太い筋肉繊維を小分けにしてほぐすのには、大変重宝する技術です。
・揉みのスライダー
基本のスライダーは、縦の変化がないらしいので、筋腹の真ん中に指を入れ、筋繊維に沿って筋肉の中で縦長に親指IPを伸展していく技術がスライダーに似ています。揉みのカーブ、揉みのシュートと同時に使うことも可能です。
・揉みのナックル
ナックルのように揺れる球は、筋肉同士を寄せて揉む技術が似ています。筋肉の中の繊維同士のくっつきを先に取ることで、硬い筋肉の束がほどけて、親指をぶっこみやすくなります。
・揉みのスプリット
アキレス腱を削ぐように揉む技術が、球速は落ちずに少しだけ球が落ちるスプリットに似ています。指先の先端で削ぐように揉むのですが、筋肉へ削ぎ入ったところで、少しだけ親指IPを伸展している所がそっくりですね。頚裏の深層筋でもよく使う技術です。
・揉みのチェンジアップ
親指IPを使って、表面を狙う筋膜リリースがチェンジアップですね。一見、普通の揉みのストレートように見えますが、全然、浅層で親指IPを操作しています。ほぐれた筋肉を馴染ますような効果もありますし似ています。
投球のコースを揉みの方向に例えてみる
これらに加えて、野球ではコースを狙い投げます。
マッサージの場合は、筋肉へ指を入れる方向が投球のコースと同じです。
私は、下から、横から、斜め上からが基本で、
更に、筋肉の上で円を描くように縦軸の方向も自由自在に使っています。
特に、筋肉に対して縦軸の方向を変える技術は、立ち指のままのマッサージすると、受ける側が痛いので、できていない施術者がたくさんいます。親指を寝かせつつも、力を連動して指先へ伝える必要があります。
痩せている人、筋肉が薄い人、猫背の人、高齢者の背中など、必要な場面がたくさんあるにも関わらず、力を弱めて立ち指のマッサージで、なんちゃってほぐしになっているのです。
マッサージの場合は、スイッチピッチャーであれ!
両刀使いのスイッチバッターいるものの、スイッチピッチャーはそういません。多くの人を教えてきましたが、マッサージにおいても片側使いに片寄っている施術者が多く見受けられます。
マッサージにおいては、どうしても、逆の手でしか揉めない方向があるのです。ですから、常に、両方の親指を同じように、同じ連動で使いこなせるように、鍛えていく必要があります。
私自身は、右利きで右親指の方が左に比べれば強いですが、左親指でもIP使いができますし、体重+肘の伸展で力を増したときでも、崩れるような親指ではありません。意識的に、左も鍛え上げていたということです。
このようにして、ゴールドフィンガーは出来上がります。
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