安全運転という危険運転 | KCR総研代表 金田一洋次郎の証券アナリスト日記

安全運転という危険運転

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 現内閣は、今夏の参院選まで安全運転で政権運営をしているという。しかし、安全運転っていったいどういうことを意味しているのだろうか。

 1月17日に通常国会が開催され、首相の施政方針演説を読んだが、どうも今一つピンと来ない。美辞麗句は並べ立てられているが、目新しい政策がない。どれも前政権時代に、叫ばれていたものを踏襲しているだけで、大丈夫なのだろうか。

 成長と分配の好循環による新しい資本主義というが、どのように行うのかあまりにも総花的であり、話だけ聞いていると目先の問題だけに対処し、一度決まった方針でもよりよい方法があるのであれば躊躇なく改め、柔軟に対応を進化させるとしている。

 目先では子供のいる世帯に対する10万円配布のクーポン支払い方の有無の迷走が頭に浮かぶが、自治体などの声に合わせて現金一括払いでもよいとスピード変更した。なるほど、これが聞く力というものかと、こうした変更への姿勢が、内閣支持率を押し上げた一因とも考えられ、ボトムアップ型のスタイルが定着した感がある。

 しかし、現内閣が、実施しようとしている施策は矛盾が多い。まず、財務省が雑誌寄稿までして、このままでは日本が破綻すると知らしめようとしたバラマキ分配政策であるが、多くは貯蓄に回り消費されないことは前回で証明済みである。中小企業にも大盤振る舞い。有難い話ではあるが、働ける環境を作ることが政治の役割であって、ゾンビ企業を長生きさせることではない。そのくせ、財務省の要望通り2025年度にはプライマリーバランスは黒字化させると嘯いている。無理に決まっているだろう。試算の前提を見ると、20年以降毎年計上されている補正予算が入っていない。巨額支出が常態化している中で、バラマキや、支援金などで働かなくても金が入ってきており、支援金や助成金などもそれなりに課税されるため、税収が増えたと何か勘違いしているのではないだろうかと勘繰ってしまう。

 外交問題なども含め、難しいことは先送りし、全方位で、目先の物事だけ、当たり障りなく無難に乗り切ろうとしている。こんなに金を使うなら、減税を考えるのが普通なのではないだろうか。真っ先に消費税が考えられるが、減税をして経済を活性化させ、可処分所得を増やす。不必要な支出は控え、投資は、半導体や再生エネルギーなど特定分野に集中し、国策として巨額補助をする。田園都市構想や所得倍増などの宏池会カラーも結構だが、明確な中長期ビジョンなくして目先の対処だけに追われていては、安全運転ではなく危険運転をしているということになる。昨今の株式市場の動きも、こうした危険性を予知しているのかもしれない。