また、久々の更新となってしまいました。申し訳ありません。
今回は、9月15日に開かれました、日本EAP協会の年次総会ならびにシンポジウムのご報告をさせていただきます。

今回は、これまでにないシンポジウムにしようと、この分野の最前線でご活躍の先生方に基調講演やシンポジストをご依頼しました。先生方からは、各々の立場からすばらしいお話をいただき、当協会会員や参加者は強く刺激をされたようです。

基調講演は、産業医大森先生から、日本のEAPや専門家の品質維持・管理の重要性を米国の事例とも比較いただきながらわかりやすくご解説。

続いてシンポジストの皆様にもご登壇いただきました。
まずトップバッターは、シード・プラニング社研究員の松田先生。EAPや産業保健分野で市場を俯瞰・分析する随一の力をお持ちの先生です。EAP業界や周辺領域の現状ならびに今後の展望について、客観データから丁寧なご説明。非常に納得感のある講演でした。

続いて産業保健スタッフ、特に産業医のお立場からスタンレー電気池上先生より、社内での産業保健活動で、実際にEAPにお願いしていること事、お願いしたい事、ここが課題!といった具体的なお話をいただきました。ご指摘事項の的確さはこれまでにないほどでした。

シンポジスト3番目は、元住友金属保健師の栗岡先生から。外部EAPとともに築き上げた社内メンタルヘルス対策、人材教育体制をベースに今後のEAPの方向性を示していただきました。MBAを取得し、現在は博士課程で研究を深めているお立場からも、現況を踏まえたとても興味深い内容でした。

ト リは、医師・産業医のお資格を持ちながら、コンサルタントとして大活躍の産業医大ソリューションズの亀田先生から。現在、経営者、人事等へのコンサルティ ングや管理職教育を仕事のメインとしながら、実際にニーズがどのように拡がってきているか(日本でもいわゆるブロードブラッシュが起こりつつある)の解説。今は、コンサルタントとして仕事をし、医師とか産業医として名乗ることもほとんどない、とのお話に、亀田先生の飛びぬけた先進性を実感しました。

会場からも様々なご質問・ご意見をいただきました。
今後EAPが必要とされる知識にかなり広がりがでるのではないか? それに対するシンポジストの答えは心理学だけでなく、経営学、法学等の分野の知識がいかに必要となるか云々

協会への要望も寄せられました。会員や参加者の意見・情報交換・共有の場をどんどん増やしてほしい。
今年度は研修会+交流会といった形で、その機会を設けることになりました。
懇親会も、例年以上の盛り上がり。あちこちで中身の深い会話が為されていたようです。これもシンポジウムの成果のひとつでは?と思っています。

日本EAP協会では、現在「日本型EAPの定義づけ」の検討も進めています。近いうちにまとめ、何らかの形で皆様にもご報告できればと考えています。