信楽といえば町の風景のひとつにもなっている信楽焼の狸。
そこら中が狸だらけですな。
滋賀県を代表する景観のひとつにも違いない。
そんな信楽焼の代名詞にもなっている狸の置物の歴史は意外と浅く、治時代に創作されたもの。
戦後、昭和天皇が行幸された際、狸の置物の続く風景をことのほかお気に召したとか。
なんか越前おろし蕎麦もそんな感じだったような気がします。
以来、信楽焼=狸の置物をイメージするぐらいに有名になってますな。
そんな狸の置物の続く風景は現代も変わらず、
メインストリートの国道307号沿いにはこれでもかと狸狸狸狸....笑
「他を抜く」に通じることから商売繁盛の縁起物として有名ですが、
最近は同じく縁起物としてふくろうや蛙の置物も目につきます。
日本六古窯(ほかに常滑・瀬戸・越前・備前・丹波立杭)のひとつに数えられ「陶都」とも称される信楽。
実はお茶どころとしても有名なんですね。
窯元や焼き物屋が立ち並ぶ中心部から西へ10分あまりの朝宮。
京都との府県境の山間部にある朝宮はお茶の山地として知られています。
山向こうは宇治茶の山地、京都府和束町・宇治田原町などの南山城地域。
宇治茶といいますが、市街化の進んだ現在、宇治市内の茶畑はごくわずか。
特に「茶源郷」を自称する和束町のお茶の生産は宇治茶全体の40%にも及びます。
さてさて、信楽から京田辺・枚方方面へ抜ける国道307号沿いの朝宮。
山間の集落の丘陵という丘陵が茶畑になっていますね。
狸の置物がズラリと並ぶ風景も信楽なら、見渡す限りの茶畑の丘も信楽。
9世紀に嵯峨天皇の行幸の折に献じるためにここ朝宮に茶を植えたのが発祥とされ、
13世紀に臨済宗の祖栄西が広めたとされる宇治茶よりも歴史が古いとか。
こんなところでも滋賀・京都のつばぜり合いが...ゴホゴホ。
早くも色づき始めた稲穂の向こうに見える茶畑は絶景ですな♪
ちなみにお茶畑ではおなじみの霜害避けの扇風機、あれも朝宮が発祥だそう。
さてさて、離合困難な山道を抜けると和束町。
始めてやってきました♪しかもマンホールのデザインが秀逸すぎ!!爆
道が狭くてなかなか車を停められませんが、そこら中の斜面という斜面が茶畑。
ごくごくわずかな面積でも山林以外のあらゆるところが茶畑です。
こちらのお茶の発祥は鎌倉時代、海住山寺の高僧慈心上人が茶を植えたのが始まりとされます。
栄西が広めたという説とはちがうせいか、ここでは宇治茶ではなく和束茶と称されます。
おとなり宇治田原町は永谷園の祖永谷宗円が煎茶法を考案したという話もあって、
お茶にもナショナリズムがあるようですな。実に京都らしい。
和束町から国道163号を木津川上流に進むと笠置町。
地理マニア的には国内で2番目に人口が少ない町、笠置。
関西本線の木津川橋梁もありますよ。
壮大な3連トラス橋ですが、写真が傾いてるのではなく橋梁自体に傾斜があります。
しかも、両サイドのトラスはもともとポニーワーレントラスだったものの上部にランガー桁を補強したもの。
なんとも無理矢理な構造ですな。
ちなみに国内初のランガー桁はこの補強の35年後....。
マニアックすぎて震えがきそうです(((( ;゚Д゚)))))))ダレカサンノツッコミィ!
車は京都府唯一の村、南山城村を経て三重県伊賀市へ。
お茶に話は戻りますが、宇治茶の定義は「京都・滋賀・三重・奈良県産茶を京都府内で加工したもの。」
つまり、宇治茶は宇治産でないどころか京都府産ですらない可能性があるってことですね。
これはびっくりでした。
後継者不足や都市化もあって京都府内産茶の確保が難しくなってるんでしょうね。