10人に1人が体外受精  増加率に注目 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

2022年に実施された体外受精で誕生した子どもは、過去最多の7万7206人だったとの調査結果が日本産科婦人科学会から発表されました。前年から7000人以上増えています。22年の出生数は77万759人のため、10人に1人が体外受精で生まれた計算になります。治療件数は54万3630件で、前年より4万5千件以上増加しました。

 

 

色々な事がわかりますがここで注目したいのは年度ごとの増加比率です。

以下に示すように年々増えており来年は間違いなく10人を切ります。2年後には8人に1人は体外受精となると思われます。そしてこのデータは2年前のものであり現在の2024年はまさにその8人に1人が体外受精で生まれている状況です。

国として少子化対策を考えた場合これだけの出生数を増やしている体外受精に対してより広く保険を認めるべきだと思われます。回数制限を緩和し、そして43歳以上にも保険を認めるべきだと思われます。

 

 

 

2015年
日本で2015年に行われた体外受精は42万4151件で、赤ちゃんの約20人に1人に当たる5万1001人が生まれたとの調査結果を日本産科婦人科学会が11日までにまとめた。治療件数も出生数も過去最多を更新した。

2016年
2016年に体外受精で5万4110人の子供が生まれたとの調査結果をまとめた。2015年に比べて3109人増え、過去最多を更新した。厚生労働省の統計では2016年の総出生数は97万6978人で、18人に1人が体外受精で生まれた計算になる。

2017年

不妊治療の体外受精によって2017年に誕生した子どもの数は、5万6617人だったとの調査結果を日本産科婦人科学会が28日までにまとめた。この年に生まれた子どものおよそ16人に1人の割合。最多だった16年の5万4110人を2500人余り上回った。1983年に東北大で国内初の体外受精児が生まれてから合計で59万人を超えた。

 

2018年

2018年に体外受精で生まれた子どもは過去最多の5万6979人だったことが、日本産科婦人科学会が1日に公表した調査でわかった。体外受精で生まれる子どもは年々増え、17年より362人多い。厚生労働省の統計では18年の総出生数は91万8400人で、16人に1人が体外受精で生まれた計算になる。

 

2019年

2019年に体外受精で生まれた子どもは過去最多の6万598人となり前年より3619人増加となりました。2019年の総出生数は865,239人で、この最新のデータでは14人に1人が体外受精で生まれていることになります。

 

2020年

2020年に実施された不妊治療の体外受精で誕生した子どもは6万381人で、前年より214人少なかったとの調査結果を、日本産科婦人科学会が13日までにまとめた。学会への報告を求めるようになった1986年以降、初めて前年を下回った。人口減少に伴って治療の効果が見込まれる適齢期の女性が減っていることに加え、新型コロナウイルスの感染拡大で治療を控える人が多かったことが影響したとみられる。20年の治療件数は44万9900件で、前年より8201件減少した。一方、20年に生まれた子どもの数(約84万人)に対する体外受精で生まれた子どもの割合は、前年をやや上回る13~14人に1人となった。

 

2021年

厚生労働省の統計では2021年の総出生数は81万1622人で、11.6人に1人が体外受精で生まれたことになります。2020年は13.9人に1人だったので体外受精で生まれた子どもの割合は急激に増えています。