7日目胚盤胞は可能性がある | 両角 和人のブログ

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胚盤胞は通常6日目までを凍結対象とします。しかし本当に6日目までしか生まれないのか、に関しては過去の論文や学会報告を見てみると、7日目の胚盤胞での妊娠出産例の報告は有ります。

ただ、多くの施設では6日目までしか胚の培養をしないため、あまり症例は多くは有りません。

今月号の論文に7日目胚盤胞でもグレードが良いのであれば移植を検討しても良いのではとの内容がありましたので以下紹介します。

以下論文の結論を示します。

7 日目の胚盤胞は成長の速い5日目や6日目の胚盤胞よりも着床する力が劣りますが、Cimadomo らは、6 日目に胚培養を終了すると 児の出産率 が 4.4% 相対的に減少することを報告しています。

長く培養するという培養システムの安全性への研究はまだ不足していて、胚の培養を7日目まで延長する方法は生まれてくる子供の予後を念頭に置いて考えなければならず、それと同時に経済的および感情的な状態によりカップルごとに個別に検討することが求められます。

今度 AI の進歩により、移植できる胚盤胞に到達する能力を備えた、発達の遅い胚を特定できる可能性が見込まれています。

Human Reproduction, Vol.38, No.3, pp. 520–524, 2023

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