メラトニンは有効か? | 両角 和人のブログ

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サプリンメントのメラトニンは治療に有効でしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

過去に記事にしておりますので以下に再度掲載します。

 

受精着床学会でメラトニン摂取により卵子の質の改善が見られたという報告がIVFなんばクリニックからありましたので紹介します。


演題 (演題番号P36)

胚質不良例に対するメラトニンの有効性に関する検討


目的

メラトニンとは脳の松果体から分泌されるホルモンの1つで、不眠治療や時差ぼけの解消にも利用される。また、メラトニンはラジカルスカベンジャーとして働き抗酸化作用を有し、卵巣内において酸化ストレスを抑制する事で胚の質が改善すると言う報告がされている。そこで今回、胚質不良により胚移植、または妊娠に至らなかった症例に対し、メラトニンを投与する事で、体外受精の成績に有益な結果がでるか前方視的に検討を行った。


方法

2010年2月~1年間の間に体外受精を実施し胚質不良と判定された61周期61症例(平均年齢39歳)の患者を対象にメラトニン3mgを採卵周期1日目より採卵前日まで連日投与し、メラトニン投与前と、メラトニン投与後の周期の採卵数、卵成熟率、受精率、分割期移植可能胚率、良好胚盤胞率を比較した。


結果

メラトニン投与後の周期で採卵数が減少したが(5.9 vs 5.0 : p<0.05)、成熟率、受精率、には差がなかった。分割期移植可能胚率は、メラトニン投与後の周期で有意に上昇した(38.3% vs 74.4% : p<0.01)。胚盤胞到達率も投与後の周期で有意に上昇した(29.3% vs 52.9% : p<0.05)が、良好胚盤胞では差がなかった(11.8% vs 22.2% : p=0.64)


考察

今回の結果より、メラトニン投与後の周期で採卵数が少なかったものの、移植可能胚率、胚盤胞到達率が上昇し結果として胚利用率が上昇した。メラトニンの内服により卵子の酸化ストレスを減少させ卵子の質の改善する事で、胚質不良により胚移植、または妊娠に至らなかった症例に対して有効である事が示唆された。

 

この結果から言える事として

メラトニンの抗酸化作用により卵子の質が改善され、その結果胚の質が改善させる可能性があると言えます。

良好胚がなかなかできない症例に対しては試してみる価値があると言えます。


尚最近出た下記の論文でも同様の結果が示されています。

この論文によるとメラトニン摂取群のほうが非摂取群と比較して良好胚獲得個数が有意に高いと報告しています(3.28 vs. 2.53) (p < 0.05)。 

The efficacy of melatonin administration on oocyte quality.

Batıoğlu AS, Sahin U, Gürlek B, Oztürk N, Unsal E.

Gynecol Endocrinol. 2011 Jul 20.