31歳です。3回移植しましたが結果が出ませんでした。 | 両角 和人のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の不妊治療の話題や情報を、文献を元に提供します。
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31歳で今まで良好胚を3回移植しましたが妊娠しませんでした。移植した胚は5AB,5BB,5BAという胚盤胞でグレードも良く自分では何が原因だかわかりません。何か今後すべき検査や改善策があれば教えてください。

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

31歳で良好胚盤胞を移植しても全く妊娠しないケースは、この年齢で3個とも胚に異常があるとは考えにくく胚そのものに原因があるのではなく、胚以外にいくつかの原因があることが考えられます。

 

子宮内膜ポリープ、子宮粘膜下筋腫、卵管水腫、腹腔内卵管内の慢性炎症、卵管周囲の癒着、慢性子宮内膜炎などが原因としてあげられます。

近年では着床の窓のずれも原因としてわかってきています。

 

妊娠するためには形態良好胚盤胞を子宮内に正確に移植する必要があります。

子宮、卵管、腹腔内の環境が胚を受け入れることができる状態になっている必要があります。

 

今お勧めの検査としては子宮内膜炎の検査、子宮鏡検査、腹腔鏡検査、ERA検査となります。(ERAの動画)

これらの検査はいずれもお勧めの検査です。

 

特に腹腔鏡検査は検査だけではなく、異常があればその場で完全に治療ができるという最大のメリットがあります。

妊娠しない多くの方の腹腔内に大量の生理の逆流血が溜まっていることがありますが、それらも全て取り除くことができます。

そして腹腔内、卵管内、子宮内を大量の生理食塩水で洗浄することもとても大きなメリットとなります。洗浄により難治性の慢性炎症も治りやすくなります。体外受精での反復不成功は当院に転院する患者さんに非常に多くいますが、当院で採卵して腹腔鏡検査をした後の最初の移植で多くの方が妊娠出産しています。

 

ERA検査も反復不成功の方の3割近くの方に着床時期のずれがあることがわかっています。もしERAで着床の窓がずれていた場合にはずらす事で妊娠する可能性は高くなります。過去に10回陰性でERAで1日ずらして移植して結果が出ている方もいます。

 

これらの検査をせずに移植を繰り返す事で結果が出るケースもありますが、この年齢の場合胚以外に原因がある事を疑い移植を繰り返すことはやめて、これらの検査をしてから移植に移ることをお勧めします。