注射をしても胚の質は下がらない | 両角 和人のブログ

両角 和人のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の不妊治療の話題や情報を、文献を元に提供します。
ハワイのお勧めレストラン等ハワイ情報も書いてます。

自然に育った卵子の方が質が良く、注射をすると卵子の質が下がると聞きましたが、これは本当でしょうか?

 
この様な質問を多く受けます。
この質問に対する論文があるため以下に紹介します。
 
刺激の注射の量や採卵数により胚の受精卵に染色体の異常が出るかどうかを35歳未満、35才以上に分けて調べています。
年齢が若くても高齢でも以下の通り注射の量が増えても胚の異数性は変わらない事が分かります。縦軸のaneuploidy rateは異数性と言って染色体異常の割合を示しています。
1500IU未満の刺激群、1500〜3000IUの刺激群、3000IU以上の高刺激群で有意差がありません。
 
 
 
 
このグラフは採卵数(1〜5個、6〜10個、11〜15個、それ以上)で染色体の異常率を調べています。
年齢が若くても高齢でも以下の通り採卵数が増えても胚の異数性は変わらない事が分かります。
つまり取れる数が少ない自然周期の方が胚の質が良いという事にはなりません。
 

Dosage of exogenous gonadotropins is not associated with blastocyst aneuploidy or live-birth rates in PGS cycles in Chinese women

Human Reproduction, Volume 33, Issue 10, October 2018, Pages 1875–1882,