卵巣嚢腫があり採卵が痛い | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

毎回採卵がとても痛いです。医師からはそれほど痛い事はしていないと言われます。チョコレート嚢腫があると痛みがひどいとも言われています。採卵の痛みと卵巣嚢腫は何か関係あるのでしょうか?

 

このようなご質問がありましたのでお答えします。

 

採卵は腹腔内に何も所見がない場合普通に行えば痛みはそれほど強くなく行える処置です。

 

ただ子宮内膜症の嚢腫(チョコレート嚢腫)がある場合には採卵の痛みがかなり強くなります。

 

この場合解決策として、先に腹腔鏡手術を行い卵巣嚢腫を摘出してから採卵をする事で痛みは激減します。

 

卵巣嚢腫がなくなる事で卵胞の発育するスペースが増え、取れる卵子の数も増えます。

また卵巣嚢腫があると嚢腫の裏側の卵胞は刺せなかった、という事もなくなります。

 

オペ後の卵巣機能の低下が不安という方もいますが、手術はしっかりと専門家が行う事で卵巣機能を低下させる事なく行えます。

 

オペ後は採卵の痛みだけでなく、普段の性交通、排便痛、生理痛も劇的に改善します。

 

もちろん腹腔内の着床に好ましくない環境も腹腔鏡手術により改善され着床しやすくなります。

 

そのためこのようなケースでは是非腹腔鏡手術を受ける事をお勧めします。