本の言葉が蘇ってくることがある。誰の言葉かはっきりと思い出せないが、ある状況のなかで新鮮に浮かびあがって、自分の心を照らしてくれる。そんな言葉は、本と切り離されても衰えない、切り離されることによってさらに力を増していくのが名言とよばれる言葉だ。

 名言は時間が経っても古びない。誰かが今日の自分の気持ちとして明言を引用する。友人や恋人に名言を通して自分の感動を伝える。名言は大勢の人にプレゼントされて、人生の支えとなる。今は誰にも読まれない本でも、その中の言葉が名言として人の心を照らして、歴史に残る。そして名言は人の心をゆたかにする。