3年生の授業は電磁波が終了しました。
今日は、授業のはじめに「IH調理器」の話をしました。
「渦電流」の例として取り上げたのです。
料理漫画「美味しんぼ」にも取り上げられている話もしました。
IH=Induction Heating は「誘導加熱」と訳されます。
コイルに交流電流を流すと、この電流によって生じる磁場が鍋の金属の
中で変化をします。その、磁束の変化を妨げるはたらき・・・これが電磁
誘導です・・・・が、鍋の金属に流れる「渦電流」です。抵抗率の大きめな
金属を材料にすれば、その「渦電流」による「ジュール熱」がより多くなり
鍋が暖まるというわけです。
そんな話を、図を書いて説明しながら、しました。
生徒たちは、興味を持って聞いていました。
前回は、新幹線のブレーキにもこの原理が利用されているという話を
しました。
そのときには、以前に紹介した自作実験装置
を使いました。磁石を回転させるとアルミ板に「渦電流」が発生し、その電
流が磁石の磁場によって力を受け・・・・これを「電磁力」または「ローレン
ツ力」といいます・・・・アルミ板が磁石の回転と同じ向きに回転するという
実験で使用したのですが、今回は、逆にアルミ板を回転させておいて、そ
れに磁石を近づけると、やはり、アルミ板の中で「渦電流」が発生し、今
度はその電流が磁場によって、回転とは逆向きの電磁力を受け、回転
が弱まり停止するという実験をしました。
この原理が、新幹線のブレーキの一部として利用されているのです。
一見、抽象的な物理の理論も具体的な例で、より身近なものになるよう
です。