私たちの宇宙は、「基本粒子」からできています。
「基本粒子」は、物質を作っている「物質粒子」と「力の粒子」に分類でき
ます。
さらに、「物質粒子」を分類すると、
①ハドロン・・・陽子や中性子などの重粒子(バリオン)や中間子(メソン)
を作っている
②レプトン・・・電子やニュートリノ
に大別されますが、「ハドロン」を作っているのが「クォーク」です。
たとえば、陽子は、アップクォーク2個とダウンクォーク1個から出来てい
ます。
「力の粒子」とは、現在分かっている「4つの力」の元になっている粒子です。
「4つの力」と、その「力の粒子」との対応関係は、
①電磁力・・・・・「光子」
②強い力・・・・・「グルーオン」
③弱い力・・・・・「W粒子」と「Z粒子」
④重力・・・・・「重力子(グラビトン)」→これはまだ発見されていません
となります。
「力の粒子」のうち、「光子」と「グルーオン」と「重力子」は質量が0です。
「物質粒子」には、質量があります。
この「質量」を持たせているのが、「ヒッグス粒子」だと考えられています。
さて、「4つの力」を統一しようという試みは、物理学の重要なテーマの一つ
です。
「電磁力」と「弱い力」を統一したのが「電弱理論」です。
それに、「強い力」の理論である「量子色力学」を組み合わせたのが、
「標準理論」というものです。しかし、この理論は2本立てなのです。
そこで、これを統一した「大統一理論」を作ろうとしているのです。
「ヒッグス粒子」を発見することによって、この「大統一理論」の手がかりが、
つかめるかも知れないと期待されているのです。
さらに、今知られている粒子だけでは「大統一理論」ができないので、未知
の「超対称(SUSY・・・スージー)粒子」が空間に潜んでいるという考え方も
あります。
これらの疑問を解決すべく、アメリカの「フェルミ加速器研究所」にある、大型
加速器「デバトロン」と、スイスのジュネーブにある「欧州合同原子核研究機関
(CERN・・・セルン)」で建設中の「LHC(Large Hadron Collider)」での実験が
注目されています。