「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピューター」が発売された。往年の名作が30本収録されており、軒並み完売とのことで、かなりの人気らしい。
ラインナップを見ると、懐かしさ満載の内容。「エキサイトバイク」では、自分でコースを作れるモードで、ジャンプ台以外は芝で、ジャンプのウマさを競うコースを作ったり、ジャンプ台で跳んだ先の着地点を、オイルだらけにしたり、ジャンプ台ビッシリの剣山状態にしたりと、今思えば、カケフくんが現れる前から、ジャンプ天国を作っていた。
「つっぱり大相撲」では、決まるとオチンチンが丸出しになる大技「もろだし」に命をかける、「脱がしのカズ」として、記録より記憶が信条のプレイスタイルだった。簡単に言うと変態小僧。
「イーアルカンフー」は、敵の女格闘家以外はハゲ率100%で、パンチやキックを出すときの効果音が、オノマトペで表現するなら「ポキュー」と聴こえるため、友達と「ハゲ鎖の頭にジャンピングポキューしてから、すねポキューはどう?」みたいな、今思うと、謎の会話をしていた。
最後に、今回のラインナップには入っていないが、個人的な思い出のある「
影の伝説」。一般的には、拐われた霧姫を助けるアクションゲーム。だが、僕にとっては、小4の春、交通事故に遭い、入院している最中に発売されたゲームと言う認識。
当時、新学期早々、習い事の帰り道、交通事故に遭い、右脚を2箇所骨折、後頭部を20針縫う、全治3ヶ月の重傷。病院に1ヶ月ほど入院とのことだった。がっつり轢かれた割には、意識はちゃんとしていて、救急隊の人に、氏名、住所、電話番号を伝え、病院に搬入。緊急処置の結果、命に別状なしとなった。後に、看護師さんに聞いたが、頭の裂傷が酷く、まあまあの危険度だったらしく、母親は、脳波を測ってくれだなんだで、慌てふためいたと言っていた両親の心配は、如何許りか計り知れない。
そんな家族の想いをよそに、当時のかずお少年は、1ヶ月の入院生活という、非現実にウットリしていた。男4人兄弟の年の離れた末っ子が、交通事故で、生死を彷徨ったとなると「風邪をひくと家族が優しくしてくれる」どころの話ではない。1番上の兄ちゃんが、買ったばかりのファミコンとテレビを、病室に設置してくれるわ、母親は何でもわがままを聞いてくれるわ、学校の先生も、頭を打っているので、これといった宿題は無しだわ、甘えついでに発売されたばかりの「影の伝説」をおねだりして買ってもらい、ゲーム三昧だわと、天国のような入院生活だった。
だが、そんな天国は長くは続かない。怪我人という立場を利用してわがまま放題だし、よくよく考えれば、最初からハッキリ連絡先も言えていたということから、体以外は問題無いのではとの疑念が持ち上がる。擦り傷なのに、ムチウチだの何だのとごねる被害者の様な悪知恵も無く、只々、甘い生活を享受する10歳児のアホな姿が、疑念から確信に変わり、天国終了。
ファミコンは即撤去、勉強が遅れちゃならないと、夏休みばりの宿題、おやつ禁止の病院食と、何かの更生施設ですか?と思うくらいのストイックさ。
さらに、退院してからは、貴重な経験を是非、作文にしてくれと、交通委員会担当の先生に懇願され、放課後居残りで作成。朝礼で、全校生徒の前での音読と言う、謎のイベントがあり、5年生になると、交通委員会にドラフト1位でスカウトされ、卒業まで、毎年、交通安全週間の時期に「交通事故の大変さと、命の大切さ」なる題名で、下級生100人に「事故のお兄さん」として小1時間、公演させられるという辱め。
そんなこんなで、ファミコン=影の伝説=交通事故という強い記憶付けがされており、ある意味、人生での影の伝説になっている。
PS K先生、先生との作文作成のお陰で、こんな駄文は苦もなくかける様になりました。
ありがとうございます。
良い子は交通ルールをきちんと守りましょう。思わぬ辱めを受けるぞ!