衆議院の解散をめぐって、また永田町がざわざわしている。

 今月25日とされた臨時国会の召集日が28日にずれこみそうだなどと、なかなか決まらないことから、「安倍首相は冒頭解散を考えているのではないか」というのだが、10日の日曜夜に麻生副総理が安倍首相の私邸を訪れ、1時間半も話し込んだことで解散風が強まった。さらに、「複数の全国紙が『9・25解散が現実味を帯びてきたので、準備を怠らぬように』と社内会議で指令を出した」「自民党が内々に全国の情勢調査を指示した」などの情報も流れ、一部の衆院議員やメディアも警戒を強めて浮足立っている。

 10・22の補選に合わせた解散・総選挙の噂はずっとくすぶってはきたが、ここへきてなぜ加速しているのか。

「安倍内閣の支持率が回復基調にあることが一番大きい。一方の民進党は山尾さんの不倫疑惑や離党ドミノでボロボロですからね。臨時国会で審議に入れば、安倍首相は森友・加計問題で攻められ、再び支持率が下落しかねないし、第2の消えた年金問題まで出てきた。そうした追及を避けるためにも、一部の首相側近が早期解散を進言しているようです。首相の悲願の憲法改正についても、『自公と小池新党を合わせて3分の2を確保できる』という分析もある」(自民党関係者)

だが、Jアラートやミサイル避難訓練で北朝鮮危機をあおっておきながら、「今なら勝てるから総選挙」とはご都合主義が過ぎやしないか。モリ・カケ逃れは国民にバレバレ。臨時国会の予算委員会が後回しなんてあり得ない。

 政治評論家の野上忠興氏もこう言う。

「解散にどんな大義名分を付けるのでしょうか。自分と妻の不祥事を吹き飛ばすための個利個略なのは明らかで、森友・加計疑惑を隠すことが目的の選挙だと国民に見透かされるでしょう。簡単に勝てる、野党共闘は間に合わない、と思うのも甘い。09年の衆院選では政策協定を結んでいなくとも、共産党は全小選挙区の半分の150しか候補者を擁立しなかった。今回も、民進、共産ともまだ全選挙区に候補者を立てられていない。裏を返せば、選挙区のすみ分けが可能ということです。内閣支持率が回復基調だといっても、『安倍首相を信用できない』という人は依然多く、与野党一騎打ちになれば、どうなるかわかりませんよ」

 先週末に行われた読売新聞の世論調査で、解散・総選挙について「急ぐ必要はない」が66%のうえ、先月から5ポイント上昇してもいる。保身の身びいき解散で、安倍首相はドツボにはまる。

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